第2話


 「はじめまして」



 はじめまして、…という割には、言葉と態度が一致しない。


 なんで腕組んでるんだ?


 …というか、「はじめまして」って、こんな感じじゃないよな?


 学校とかで出会うならまだしも、ここ、街のど真ん中だし。


 そりゃ誰だってはじめましてになるだろう。


 いちいちすれ違う人間と挨拶を交わしてたら。



 「…なんですか?」



 恐る恐る尋ねた。


 若干恐怖がなかったわけでもない。


 話しかけられる覚えはないし、何より睨まれてる…


 目つき悪くね??


 まじでどちら様だ?


 制服もウチの高校のじゃない。



 「あんたに会いに来たんや」




 …


 ……えーっと



 今「はじめまして」って言ったよな?


 はじめましてなのに、俺に会いに来たのか…?


 てか今すげぇ馴れ馴れしくなかった?


 あんた??


 あんたって俺のこと?


 戸惑いながら、俺は自分の顔に指を向けた。


 目の前の女が“会いに来た”という人間が、果たして「俺」なのかどうかを確かめたくて。

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