第3話
着いた途端、地上が騒がしいことに気づいた。降りて優しそうな、私のお母さんくらいの年齢の人に事情を聞いてみる。
「あの、何かあったんですか?」
「その棒……あなた、空を飛んできたの? 危ないわよ、さっき魔女カナリアを権力の座から引きずり降ろそうとする反乱分子が謀反を起こしたの。もし魔法が使えるところを見せれば殺されるかもしれない。気をつけて」
「そんなことが……教えてくださりありがとうございます」
私は透明魔法を行使した。こうすれば、危ない人に見つからずにカナリアのところまでいける。何かできることをしたかった。もちろん父のこともあるけれど、今はそんな時ではなさそうだ。ワキャル王国の城内まで行くと、中では多くの人が右往左往していた。跳ね橋が上がっていたし、まだ城内部までは反乱分子は来ていないらしい。人づてに、カナリアさんは城のはずれの温室つきの家に住んでいると聞いていた。それを探す。城を半周したところに、それらしき建物があった。透明魔法を解除し、扉を叩く。
「カナリアさん、いらっしゃいますか? 私、ナラリア公国の公女ガロリアです。外は大変ですけど、ご無事ですか……?」
ガチャリとドアが開いた。そこには、柔和な微笑みを浮かべた女性が佇んでいた。
「ようこそ、ガロリアさん。はじめまして。あなたが来ることは分かっていましたわ。どうぞ、中へ」
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