間奏3

「あーあ、江藤君たち帰っちゃったな」

 姫野まりこはため息をついた。

「あんた、ほんとに最近修平のことしか話してないわよ」

「そんなバレバレ?」

「とっくの昔に」

 夢野金糸雀は笑った。そう、前世から。私はいつでもまりこ、アマリア嬢の味方。まりこと修平をくっつけるためならなんだってする。修平と利一君とは、兄弟愛が行き過ぎた状態だって分かってた。大丈夫、利一君には蒲生君がいるから。まりこの運命の人は修平なんだから。

 姫野金糸雀は魔女である。手段を選ばないからこそ、彼女は魔女だった。転生に気づいているのは、私と蒲生だけ。ずっとそのままでいい。今世を楽しんで、二人とも。



 孝祐は泣き濡れながら道を歩いていた。そこに何者かの影が近づいた。

「どうしたの……孝祐」

 蒲生だった。孝祐は蒲生にすがりついた。

「忘れたいことがあるんだ……修平のこと」

 蒲生は驚いたような顔をしたが、そっと微笑んだ。

「いいよ。僕が忘れさせてあげる」

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