第54話

 ララティーナ王女殿下に計画の一端を察せられた僕が彼女に逆らえるわけがない。

 僕は大人しく彼女に自分の計画を話すしかなかった。


「それで?ノア様の計画を私に教えてくださるのですよね?」


「まぁ……うん。教えるよ」

 

 僕はララティーナ王女殿下の言葉に頷く。

 今、僕は模擬戦をする部屋からララティーナ王女殿下と二人で防音室の方へと移動していた。

 ゲームの主人公一行とガリアを置いて。

 

 ちなみにゲームの主人公たちは何なのかと言うとララティーナ王女殿下曰く、仲良くなったから護衛として連れてきちゃったらしい。

 ゲームの主人公は唯一、僕やアーテを超えるだけの才能を持った逸材なのに扱いがすごく雑。

 

 そして、ゲームの主人公とララティーナ王女殿下の恋愛フラグは立たなかったらしい……もうちょっと頑張れよッ!

 ゲームの主人公!お前は主人公だろ!


「……そちらのフランクな姿がノア様の素でしょうか?」


「ん?いや、どの僕も素だよ」


「なるほど。そうですか」

 

 僕の言葉にララティーナ王女殿下は大人しく頷く。


「じゃあ……僕の中にあった計画を話していくか。そろそろいい加減他の人にも明かしていくタイミングだしね。もうほとんどの下準備は終わった……し?」


 ん?

 今、思ったけどゲームの主人公一行がこっちの方に来ている現状不味くないか?

 アンノウンの対処誰がするの?アンノウン対処はゲームの主人公の仕事よな……あれ?もしかして不味い?

 いや、短時間だし流石にイベントの時間と重ならないよな……?ね、念のためにアンノウンを一網打尽にする計画を作っておこう。

 

 以前、ララティーナ王女殿下がこの学園に来るわけないやろ!とか言っていたら本当に来たし。

 もしかしたら僕にはフラグ建築士の才がある可能性がある。


「ん?どうかなさいましたか?」


「いや、何でもないよ。それじゃあ僕の中にある計画を話していこうか」

 

 僕は口を開き、自分の中の計画を話し始めた。





 キャラクター補足


 ノア

 実力はもちろん一級品で、戦略も完璧。

 天才であるアレティアと知識チート込みではあるが太刀打ちできるほどの天才。

 

 アレティア。

 ノアと同じくらいの実力を持つ、完全無欠の天才。

 生まれながらに天才すぎるがゆえに周りとの次元が合わず、いつしか自分以外のすべてを他人を自分の駒だと認識するようになっていった少女。

 唯一ノアを己と同じプレイヤーであると認識している。


 ララティーナ

 実力も、頭脳もノアとアレティアには遠く及ばない。

 ただし、ノア周りのことだけは乙女の勘がフル稼働しまくり、ノアを驚かせるほどの圧倒的な智謀を発揮する。

 ノアはララティーナに恐怖を抱いているものの、最悪殺せばいいや!と思っている。

 

 ゲームの主人公。

 戦闘の才能だけは本小説の中でも圧倒的トップ。

 ただし、頭は残念。普通に絡め手に負ける。

 なので、アレティアは彼をめちゃくちゃ強い駒程度しか認識しておらず、恋愛関係には絶対発展しない。

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