第39話

 序列三位の少女に格の違いを見せつけた僕は視線を学園の先生たちの方へと向ける。


「僕の勝ち。これで序列三位は僕のもので良いよね?」

 

「あ、あぁ!問題ない!君は序列三位、竜王リスタに決闘を挑み、それをリスタは承諾。決闘に勝利したノイは序列三位となり、それ以下全ての順位が一つずつ下がっていく!」

 

 僕の言葉に偉そうな白髪の先生が同意する。


「うし。これで僕も上位」

 

 特権が認められるのは学園上位十名。

 僕は三位になったので特権が認められるようになった。


「ほっ」

 

 僕がさっさと闘技場のバトルステージから観客席の方へと戻ろうとしたタイミングで隣へとアーテが降り立ってくる。

 

「はぁー、ノイだけズルい。私と戦って?と言いたいところだけどここで本気ドンパチやり合うわけにもいかないし……あの子で良いや」

 

 アーテは呆然としている少女、リスタの方へと近づいていく。


「次は私。序列よこせ」

 

 そして、アーテは手袋をつけていなかったので魔法を使って手袋を作り、それをリスタへと投げつける。


「へ?」 


「ガァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアッ!?」

 

 その行為にリスタは首を傾げ、片翼を断たれたドラゴンが血を流したまま悲鳴を上げて情けなく蹲る。


「早く受け取って?序列四位よこせ。私から逃げるというのなら頷くまでここで拷問するんだけど?」

 

 アーテは大量の魔法陣を浮かべ、リスタを全力で脅していく。


「ガァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

 蹲るドラゴンはとうとう涙を流し、アーテに対して土下座しだす。


「アーテは普通に僕くらい強いし諦めたほうが良いよ?」

 

 呆然としているリスタに対して僕はそう話す。


「……は、はわわわわわわ」

 

 僕のその言葉を聞いてようやくリスタは感情を取り戻し、顔を蒼白にさせて慌て始める。


「了承しますぅ!?そして、降参しますぅ!!!」


「よし。これで私は四位。他は全部下がるで良いんだよね?」


「えっ、あ。うん」

 

 学園の先生はアーテの言葉に頷くことしか出来なかった。

 これで僕もアーテも序列十位以内……担任の先生に言われたとおり最上位に入れた。

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