#2『良い子のみんなぁ!異世界の森に入るときは火と武器は必須だよぉ、お姉さんとの約束ね!』

こんにちは、前回急に異世界に召喚されて森にほっぽり出された在沢燈火と宮川風香です。


燈火:「風香、これからどうする?」

風香:「う~ん...とりあえず、安全なところに移動しよう。こういう世界の森って大体魔物が出てくるし」

燈火:「さすが風香!!伊達にヲタクしてないね?」

風香:「ヲタクしてるって何さ...。ほら、さっさと行くよ」

燈火:「ちょっと待ってよ!」


こうして私たちは、当てもなく歩くことにした。

しかし、いくら歩いても森から抜けられず夜になっちゃった。


燈火:「どうする?もう夜だよ?」

風香:「夜に移動は危険だからやめておこう。火を越せればいいんだけど...燈火、ライターとか持ってない?」

燈火:「あるわけなくない!?」

風香:「だよねぇ...。今獣に見つかったら終わりだな」


風香とこんなことを話していると、近くの草むらがガサガサと揺れた。

私たちは驚いて、とっさにそっちを見た。


風香:「...燈火、私から離れないでね?」

燈火:「風香...。何か策あるの?」

風香:「...。」

燈火:「...ゴクッ」

風香:「あるわけなくない?」

燈火:「...死ぬ前に、彼氏の一人でも欲しかったなぁ」

風香:「まだ死ぬか分かんないんだから諦めるな!!」


頼みの綱の風香もさすがに装備も道具もない状態では策も何も考えられないわけで、私は死ぬ覚悟をした。

そんな私に風香は、「諦めない」「何か策が...」「今までの異世界アニメを思い出せ...」とつぶやいていた。

そうこうしてると、草むらから音の正体が出てきた。


燈火、風香:「!!」

魔物:「エサ...ダ...ヒサビ..サ.....ノ...ニンゲン」

風香:「緑の小柄な体に武器はこん棒...ゴブリンか?一体なら何とか」

燈火:「...風香!あれ!」

風香「ん?...!!」


私が指さした先には、風香の言っていたゴブリン?がいっぱいいた。

数で言うと100はいたと思う。

さすがにこの数を相手になんてできるわけがない。私たちは冷や汗が背中を伝うのを感じた。


風香:「これはさすがにジ・エンドかな?」

ゴブリン:「グ...グギャァァーーーー!!!」

ゴブリンたち:「「「「グギャァァァァアーーーーーー!!!」」」」

燈火:「ヒッ...!」

風香:「クッ...!」


一匹のゴブリンが雄叫びを上げると、他のゴブリンも雄叫びを上げて私たちに襲い掛かってきた。

もう駄目だと思って瞬間。風香から緑色の光、私からは赤色の光が出た。すると、ゴブリンたちが光に驚いて動きが止まった。


燈火:「何これ?」

風香:「ゴブリンの動きが止まった...。この光は一体?」

赤髪の妖精:「炎の女神・フレイ様の加護を受ける者。トウカ」

緑髪の妖精:「風の女神・ウィンディーネ様の加護を受ける者。フウカ」

妖精たち:「ようこそ、私たちのご主人様」


妖精たちは私たちの顔の前に浮かぶと、同時にお辞儀をした。

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