第2話永久の時間

 わしの名は呂望リョボウ


 遠い昔、とある国の軍師として、活躍していたものである。


 また、仙界では“封神の義”の神官も務めており、それはもう忙しくて忙しくて、目が回っておったよ。


 実はわしにはあまり他人には言えぬ秘密があってな。


 なんと、わしは年はとらぬのだ。


 そこの者、羨ましいなどという顔をするでない!


 それはそれで、色々悩みがあるのだ。


 あれは10歳になるかならないかだったか……


 真冬に風邪をひいてしまってな。


 師匠も留守だった故に、見つけた粉薬を風邪薬と勘違いして、飲んでしもうたのだ。


 その日から、少しずつ成長が止まり、死ぬことも出来なくなった。


 何だ、今度は哀れみの表情カオをしおって。


 ほんに、ここの読者は忙しい者が多いのう……


 それだから、今現在もこうしてぴんぴんしとる。


 これを利用ない手はなかろう?


 そういうわけで、今のわしは若者のように、勉強や恋を楽しんでおる。


 幸せ過ぎて、辛気臭い顔をしておる者達に、分けてやりたいぐらいだ。


 うん?


 遠くから、何やら聞き覚えのある女性の声が?


 おっと、忘れておったわ。


 わしの一番の理解者である奈義ナギとの、デートの途中であった。


 怒らせる前に、ここを去るとしようかのう。


 また何処かであったら、相手をしてくれると、わしはとても嬉しく思うぞ!


 皆もその時まで元気でな。


お仕舞い


イメージした漢字:命


令和5(2023)年2月23日9:18~9:47作成




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