第拾肆話《本戦・開幕》

「っしゃ〜!滾ってきたぜ!」


「アクス・・・落ち着け。」(脳天チョップ)


「イタッ!ヴァリアル・・・テメェ・・・」


「元からバカなのにコレよりバカになっては困るよな・・・すまん。」


「俺はバカじゃねぇ!」


「まぁまぁ・・」


「それよりもいいのかい?ロゼ。君も参加して。」


「はい。彼らのターゲットが私なんでしたらって考えたので。」


「そっか。」


「それにしても・・・さすが本戦会場やな・・予選会場とは全然人の量がちゃうもん。」


「だとしても!勝つわよ!」


「部長・・まぁ・・できることを俺らはやるだけなんで。勝てるかどうかはわかんないですけどね。」


「ヴァリアル・・確かにそうだけど・・・」


「アハハ!そりゃそうやな!アハハ!」


「アスタ・・」


「師匠。見てるっすか?俺ら・・勝って師匠に優勝の2文字を見せてやるっすよ!」


【ガッハッハ!そうか!なら見せてもらうとしよう!ガッハッハ!】


「・・・?」


「どうした?アクス?」


「いや〜・・師匠の声が聞こえたような・・・」


「・・・はぁ・・・ついに耳までバカになったか?」


「違うわい!!」

「・・・みんな準備はいい?」

(コクリ。)

「んじゃ行こうか。」

「「「「「「はいっ!!(おっす!)(えぇ)(よっしゃ!)」」」」」」

こうしてそれぞれの思惑が交錯しながらも、いよいよ始まる本戦・・・もちろん悪しき思惑を抱く者も紛れている。ーーー


「(今回はボクが潜入っすかぁ☆まぁ頑張るっす。姐さんのご褒美をもらうためにも!グヘヘ・・・☆)」


青黒い機甲兵士の操縦士「(・・・(手の中にはヴァリアルとその母の姿が写っているネックレス型ロケットが・・・)グッ・・・持ってくれよ?俺の体・・・そして相棒・・)」


ーーー主人公sideーーー

「(それにしても昨日は一体なんだったんだ?あんのブタ貴族にお願いされて偽名だけど作ったセキュリティ・・第一段階突破されかけた・・・まぁ・・・昨日改めてセキュリティ強化してステージが1刻みじゃなくて0.5刻みにしたし・・・まぁセキュリティの難易度はおんなじなんだけども。ってかメンタル強ぇんだよなぁ・・最近のハッカー・・・)」(ホットサンドモグモグ・・・)


「な〜に考えてんだよ!ヴァリアル!」


「ん?バカにはわからんだろうから気にすんな。」


「だから俺はバカじゃねぇ!」


「はいはいわかったよ〜」


「ったくよぉ・・・それより今日は何すんだ?会場への機甲兵器の移送か?」


「お前・・・話聞いてなかっただろ。今日は当日の作戦会議とその後はメンテナンスだって言ってただろうが・・・」


「?」


「はぁ・・・これでお前がバカだって自覚しねぇってなんなんだよ。」

「おいコラァッ!!!」

〜数分後〜


「まず第一回戦の作戦だが・・・どうする?クロノ先輩。」


「そうだね。アクスくんも機甲兵器を操作できるだろうし・・・アクスくん用の機甲兵器は作ってあるよね?」


「あぁ。そこは抜かりなく作ってある。このバカでも使いこなせるようにな。」


「そう。なら・・・アクスにはアスタや私と一緒に近距離で攻めてもらおうかしら。」


「わいの立ち位置今回は近距離のどの位置や。それによっては改装せんとあかんくなるで?」


「アスタの立ち位置はそうね・・・近中距離よりに配置してもらおうかしら。」


「ほいな。」


「あの・・・私は・・・」


「ロゼちゃんにはヴァリアルくんと遠距離担当してもらうわ。」


「はい!」


「なぁなぁ・・俺の専用機ってどこにあんだ?」


「バカアクスの専用機ならガル副部長の機体を改修した上でゴリゴリの近距離重武装にしてある。」


「よっしゃ!・・・って俺はバカじゃねぇ!」


「とりあえず初戦の相手校どこでしたっけ?クロノ先輩。」


「確か・・・異名だけど・・・『蒼炎の継承校』だったかな?」


「『蒼炎の継承校』・・・『蒼炎』っつったら・・・確かヴァリアル。テメェの親父さんのライバルだったっけ?」


「ん?あぁ。『蒼炎』は親父を一方的にライバル視してた上に一度も親父に勝てねぇからって子供同士で戦わせようとしてるっつーのをフェゲルおじさんに聞いたことがある。」


「・・・卑怯者ってことですか?」


「いいや。その逆。『蒼炎』はバカみたいな負けず嫌いな上に粘着質な執念を持ってる中距離型の機甲兵器女操縦者ですよ。」


「へぇ・・・って女かいな!?」


「・・・俺も親父から聞いた時思いましたよ。『蒼炎』って実は負けず嫌いじゃなくて異常なまでに執着する女じゃねぇのかって。んで聞いたんですよ。フェゲルおじさんに。実際のところどうなんだって。」


「そしたらどういう返答が来たんですか?」


「案の定・・・親父に何回も模擬戦闘という名目で告白やら婚約を迫ってるけど勝てないからどんどん病んでいってるっていう返答が返ってきましたよ。」


「うわぁ・・・ドン引きですねそれ。」


「まぁそんなこんなで俺も正直関わりたくない部類の人間だと思ってますよ。まぁでもだからって負ける気はないですけど。」


「なぁ・・・もしかしてよ・・・『蒼炎』の実名って・・・『ヴォルケナ=P=フェルネ』だったりっすっか?ヴァリアル。」


「アクス・・・まさかとは思うが・・」


「俺の親戚の叔母さんなんだが・・」


「マジで言ってんの?」


「マジっす。」


「アクスはん。叔母はんの弱点とか教えてくれはる?」


「叔母さんの弱点っすか?・・・俺と同じような感覚派で・・人に教えるのがあまり上手くなくて・・・」


「そこじゃなくて・・・」


「叔母さんってゴリゴリにゴリ押し戦法が得意なんすよね。だから多分・・・」


「よし。作戦は決まったね。『蒼炎の継承校』と戦うときは遠中距離で攻めよう。」


「「「「了解。(や。)(っす)」」」」


ーーーー次回。本戦第一回戦を予定ーーー

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