第伍話《第30回機甲部対抗戦予選に向けて》

キーンコーンカーンコーン


「なぁヴァリアル?そういやガルさんが言ってたんだけどよ。1ヶ月後対抗戦あるんだと。」


「・・・お前・・・本当か?それ?」


「ん?あぁ・・・マジ。つっても俺らは新入りだもんなぁ・・・出れねぇだろうなぁ・・・」


「・・・(調整終わってないんだぞ・・・!?それに間に合ったとして・・・」


「おーい?声に出てんぞー?おーい。」


「はっ!・・・すまん。」


「・・・お前疲れてんじゃね?」


「・・・そうかもしれん・・・少し遅れると言っておいてくれ。」


「了〜解。無理すんなよ?」


「ふっ。バカじゃあるまいし・・・安心しろ。」


「そっか。ならいいけどよ。」

〜格納庫にて〜


「・・・ここをこうして・・・・システム設定を・・・リアクタは・・・う〜む・・・・やはりフレームの問題か?だが・・・少し休憩するか。」


「ヴァリアルくん。ちょっといいかな・・・?」


「クロノ先輩・・・何かようですか?」


「うん。君にパイロット一回やってほしいんだって。部長が言ってたよ。」


「わかりました。・・・・対抗戦のため・・・ですかね?」


「そうだと思うな・・・だって僕がメカニックじゃなくてオペレーターとして対抗戦メンバーに描かれてるから。」


「・・・調整終わってないが・・・試運転と行くか・・・俺が試作したシステムも試す必要がある。」


「・・・ヴァリアルくん。そのシステムが君の作った機甲兵器に搭載した奴・・・?」


「いいえ?これは俺の親父を殺したやつに搭載してあるであろうシステムを擬似再現したやつです。」


「ちなみにネーミングは?」


「『イフリートシステム』か『レイジング=コード』で悩んでるんですが・・・どっちがいいですかね?」


「うぅーんそうだなぁ・・・僕は後者かな・・・?」


「なるほど・・・参考になりました。では行ってきます。」


「行ってらっしゃい!」

ーーー数分後、模擬戦エリア

※機甲兵器を操縦中は会話の「」が『』にかわります。


『おう!待ってたぞ!それがお前がメンテナンスした機甲兵器か!』



『お待たせしました・・・相変わらずテンションが高いですね・・・ガル副部長』


『ほんなん気にしたら負けやで?それにしてもまさかヴァリアルが操縦できたとはなぁ?予想外やったわ!』


『私がスカウトしたんですもの!出来て当然です!』


『プレッシャーをあまりかけないで頂きたいですが・・・まぁいいです。で?俺は何をすれば?』


『おう!ヴァリアルには・・・あの的が見えるか?アレを狙撃した上で真ん中を完全に撃ち抜く練習をしてほしい!』


『・・・(いきなりか・・・まぁいい。)ちなみに狙撃するポイントは?』


『?あぁ・・・それはな・・・こっからちょっと移動した場所に高台があるんやけど・・・』


『そこから・・・と言うことですか。』


『そうだ!』


『いきなりごめんなさい・・・私とアスタさんは中距離担当なんですが・・・コツは聞きます?』


『いえ。気遣いありがとうございます。ロゼさん。大丈夫です。』


『いきなりできるかわからんがやってみろ!ガッハッハッハ!』


『(やるだけやってみるか・・・っとここが狙撃ポイントか。)それじゃあ・・・行きます・・』

バシュッ!


『『『『『当たった(やと)・・・・!?』』』』』


『うん。いい感じだな・・・じゃあ《レイジング=コード》起動。【レイジング=コード起動確認。システム起動】【システムオールクリーン】【アクティブ】・・・これでどうなる?』

ババシュッ

『なるほど・・・両手持ちで早撃ちが可能になると・・・』


『ちょっと待ったぁぁぁ!』


『なんですか?ガル副部長?』


『今のが初めての機甲兵器の操縦ではないのか!?』


『言ってませんでしたっけ?俺の親父。軍の機甲兵器のパイロットだったんです。それで操作とか見せてもらったり・・・あと父の友人がよく乗せてくれたりしたんで操作方法は知ってるんですよ。』


『・・・言われてへんわ!?・・・ちなみに聞いとくけど・・・親父さんの名前教えてくれたりしはる?』


『[ヴァリアント=G=アグニア]ですが・・・それがどうかしました?アスタさん?』


『・・・まさかの[紅の狙撃手“スカーレット・スナイパー”]の息子はんだったとは・・・』


『アリシア部長。知っててスカウトしたのですか?彼が[紅の狙撃手]の息子だと知って?』


『・・・知るわけ無いじゃない!?私も初めて知ったわよ!?』


『・・・もしかして俺やっちゃいました?』


『『『『『やっちゃってるよ!』』』』』


ーーーーその後俺は部長含め先輩方にこっぴどく怒られた上で機甲兵器のメンテナンスに戻ったのだったーーーー


「ふぅ・・・これで良し。完全にメンテナンス含め改良完了だな。それにしても学園側から俺専用の機甲兵器製造のために遠距離型武装特化機体をもう一つ提供してくれるとは・・・まぁ儲け物だからいいが・・・とりあえず《レイジング=コード》のために追加武装としてサブアームとロングバレルを追加したからな・・・ま。いいとしよう。」


ーーーーその頃対抗戦がわーーーー

「今年も楽勝に勝てるだろなwwww」

「うんうん。何せ向こうには遠距離いねぇもんwwww」

「「「「「あっはっは!」」」」」」


完全に油断しきっていた。


次回。予選第一回戦(の予定・・・)

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