第5話「朝の光景」
短編小説「天使に恋して☆彡」2 登場人物紹介
NO.1 桜井
優しい性格で、気の弱い中学二年の主人公の少女。
前回、タツヤとキッドのおかげでいじめを克服出来た。
タツヤが好きなようだが…
NO.2 タツヤ 年齢16歳くらい 性別 男性
かなり、上から目線の高慢に見えるが…
前回、風花と結ばれた。
NO.3 キッド 年齢12歳くらい 性別 男性
タツヤと一緒に魔法陣から出てきた、新米キューピットの少年。
優しくタツヤと正反対の性格。風花のことが好き?
NO.4 夢に出てくる少年
最近、風花の夢に出てくる不思議な少年。
風花はどことなく、誰かに似ていると感じているようだが…
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最近、不思議な夢を見るの・・・
私にタツヤさんでもない誰かがキスをしている夢。
茶色の髪、優しい緑色の瞳、
あらがえないほど、甘くて優しいキス…
けれど、いつもその人は切なそうな顔をするの。
お願い、そんな表情しないで?
優しい瞳を持つあなたは一体、誰なのですか?
チュン、チュン・・・
窓の外から小鳥のさえずる声がする。
カーテンの間から
柔らかな日の光が部屋の中に射しこんでいる。
ベッドで眠る可愛らしい少女の名は桜井風花。
その時、ドアがノックされ、
緑色の瞳の10代ぐらいのメガネを掛けた少年が入ってきた。キッドだ。
「風花さん。起きてください! 朝ですよ」
キッドが優しく風花を揺する。
「う~ん…」
2度唸ると、まぶたをゆっくり開けた。
「キッド君、おはようございます~」
眠そうな目をこすりながら言うと、キッドはにこりと微笑み
「おはようございます! 風花さん。今朝はいい天気ですよ」
と、カーテンを開けた。風花は歯を磨き、
顔を洗い、制服に着替えると下に下りて行った。
キッドはキッチンに向かっていて、タツヤは新聞を見ていた。
「よぉ、風花。おはよう」
「おはようございます。タツヤさん」
と、いいながら何かに気づく、
「あれっ?今日の朝食のお当番、タツヤさんじゃなかったですか?」と言うと、
タツヤは、頭をかきながらキッチンで働いているキッドを見て、
「ああ、あいつがどうしてもやりてぇって言うからよ。代わってやったんだよ」
その言葉に風花は少しムスッとした。
「嘘ですね? タツヤさんが嘘を吐く時って、
頭をかくんですよ。また、キッド君に押し付けましたね?」
その時、チーン!
テーブルに置いてある、オーブントースターが鳴った。
「おっ? パンが焼けたな。風花、食うだろ?」と、タツヤは話を誤魔化した。
キツネ色にこんがり焼けた、トーストのいい香りがする。
「話しを
風花はさらにムスッとした。そのうちキッチンから卵の焼けるいい匂いがただよってきた。
キッドがキッチンから出てきて。
「今日はオムレツと、サラダですよ」
テーブルにオムレツと、サラダの盛られた皿を並べた。
風花はトーストにイチゴジャムを塗りながら
「キッド君、また、タツヤさん。あなたにお当番、押し付けたみたいで本当にごめんなさい」
キッドに謝ると、キッドは牛乳を三つのコップに注ぎながら
「いいんですよ。僕が好きでさせて頂いているんですから、風花さんが謝ることないんですよ?」
と、にっこりと微笑み「はい、風花さん」と、牛乳を差し出した。
「ありがとうございます」と、受け取る風花。
「優しすぎます。キッド君」
むむむと唸ると、トーストをかじっている
タツヤに風花は少し怒りながら
「タツヤさん!キッド君、可哀相ですよ。少しはキッド君に優しくしてあげたら
どうなんですか!」と意見すると、
タツヤはムスッとして、
「うっせーな! 俺様に説教すんなよ。その口、ふさぐぞ!!」
「んぐっ?!」
何と、タツヤは風花の唇を強引に奪った。これがいつもの朝の光景である。
しかし、その日は何かが違った。
いつもはただ唖然としているだけのキッドが
「やめてください! タツヤ様!!」
とタツヤと、風花の間に割って入ったのである。
「あ? 何だ、キッド。俺様の行為を邪魔すんのか?風花は俺様のもんだ。
どうしようと、勝手だろ?」
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ここまで読んでいただきありがとうございます。
6話に続きます。(後編は、前編よりも話数が少ないです。)
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