第4話「風花のキューピット」

 この日からタツヤと風花の関係が変わった。

 タツヤは校長の所へ行き話し合った。

 タツヤと風花の熱意が伝わり学校は、少しずつだが変わっていった。


 そしてバレンタインの日、風花とタツヤとキッドは学園の屋上にいた。

「はい、キッド君、チョコよ」

 綺麗にラッピングされたチョコをキッドに渡す。

「わあ~、ありがとうございます。風花さん」

 喜ぶキッド。

「俺様のは?」

 風花は、紙袋から大きめのハートのチョコを取り出すと、顔を真っ赤にした。

「あっ、あのっ・・・タツヤさんっ、私は」と言いかけて言葉がさえぎられる。

 タツヤの唇が風花の唇に重なる。

 思わず口に手を当て顔を真っ赤にするキッド、風花と、タツヤの唇が離れると、


 タツヤは、顔を真っ赤にした。

「好きだ!風花。俺様は、お前だけのキューピットでいたい良いか?」

 風花は唇を指で、触りながら顔を真っ赤にし、とまどった。

「でっ、でも!私、弱虫だし、すぐ泣くし、ブスだしもし同情で言って下さるんだったら私」

 タツヤは、ふわりと風花を抱きしめた。

「一目惚れなんだ!お前を見たときから胸が高鳴ってさ。風花の涙と、アザを見た時、ああ、こいつは俺様が守ってやんなきゃいけねぇって、同情からじゃない。

 お前はブスじゃねぇ、可愛いと俺様は思うぜ?だから・・・もう一人で泣くな・・・俺様は、風花を愛しているんだ!」


 風花は、大きな瞳から涙をぽろぽろと流して、顔を真っ赤にし輝く笑顔で微笑んだ。

「はいっ、もう一人で泣きませんっ、私もタツヤさんが好きです。

 これからもよろしくお願いします」

 キッドも可愛らしい笑顔で

「僕も風花さんのこと大好きです。これからもよろしくお願いします!」、

 風花、タツヤ、キッドは顔を見合わせ笑いあった。


 こうして心優しく、寂しがりやの風花は小さな幸せを見つけたのである。

 わがままで心優しいキューピット。あなたなら、どんな願い事を叶えてもらいたいですか?


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 前編を最後までお読みいただきありがとうございます。

 後編に続きます。

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