2、限定 歴代Jリーグ日本人選手

 2の「限定 歴代Jリーグ日本人選手」に行く前に、少しだけサッカーのルールの話をしようと思います。『VAR』という言葉を聞いた事があると思います。よくある勘違いとして、VARというのは全自動の機械判定だと思っている方がいます。そうではなく、VARとは、ビデオアシスタントレフェリーの略で、映像をチェックしながら主審の判定の明らかな間違い、誤審に関して助言をするレフェリーの事です。あくまで主審をサポートする、追加の審判、アシスタントレフェリーです。

 但しVARが介入できる条件というものが決まっていまして、ペナルティキックやオフサイドまたは得点の有無に関係する事象か、一発退場のレッドカードに該当する事象か、カードを提示した対象選手の間違いの3点になります。従って、「今のイエローは厳しくないか?」とか、逆に「今のプレーでイエローが出ないのはおかしい!」というような場面は、VARの対象にはなりません。

 また、別の勘違いとしては、「VARで正確な判定を行ったのだから、100パーセント正しい」という、一種の思い込みもあります。これも誤りです。一例としては、先のワールドカップ決勝戦で、アルゼンチンの一本目のPKのシーンがありました。ペナルティエリア内に侵入したディ・マリアがエリア内で倒されてPKになったシーンです。これは今現在でも「あれはPKだ」「いやあの程度はPKではない」と議論になるシーンです。この時、「VARがPKだと判断したからPKなんだ!」という意見は、完全な誤りだという話です。まずはそのシーンを、映像で見てみましょう。幾つかの映像が残っていますが、2つほどユーチューブのリンクを貼っておきます。


youtu.be/7RaUtZTM9kI?t=30

youtu.be/s6aWczjDmXs?t=71

(いずれもユーチューブ)


 上の動画は、スタンドの観客が撮影したものらしく、ゴール裏からの映像で見えやすい角度になっています。動画の30秒過ぎから。下の動画は、アベマの本田圭佑の解説だと思います。倒されたシーンのリプレイでは、PKを蹴る直前の本田の「あっ・・・」の声でカットされていますが、この後「これはPKちゃうかも・・・」と続きます。アルゼンチンを応援していた本田でさえも、そう思えるぐらいには、映像で見る限り微妙な、というか疑惑の判定になっています。アベマの方にもビデオがあって、ハイライトのみ無料ですので、そちらでも同じ映像が見れます。映像としては、アベマが一番鮮明でしょうか。但し、こちらも本田の声はカットされています。以下の動画の44秒頃~


abema.tv/video/episode/16-76_s40_p1890

(アベマビデオ 決勝戦ハイライト)


 この件に関しては、以下の記事も参照しましょう。


PK判定は正しかった? デンベレがディ・マリアを倒してファウル。主審は映像確認せず (フットボールチャンネル)

2022年12月19日 7時33分配信

>映像でこのシーンを見ると、デンベレの接触は軽微なもので、PKに該当しない可能性はあった。しかし、主審が映像を確認するオン・フィールド・レビューは行われず。結果的にこのPKをリオネル・メッシが成功させ、アルゼンチン代表は先制している。

>もちろん、この場面をVARは確認しているはずだが、主審の判定が「明らかな間違い」でなければVARはOFRを薦めない。この場合はデンベレの接触は映像で確認できたので、ファウルが「明らかな間違い」には当たらなかったとVARが判断したと推測できる。

>もし、主審が接触が軽微という理由でファウルに当たらないと判断した場合でも、VARがその判定を支持していた可能性は低くない。ファウルの判定はグレーゾーンのような部分があり、主審によって判定が変わるような曖昧な部分を残す。VAR制度は「明らかな間違い」を正すためのものであるので、このシーンでは主審の判定が支持された。


 つまり、VARというのは、主審の見たものや判断が、明らかな間違いだったという映像によるエビデンスがある場合にのみ、介入するという話です。このシーンで言うと、例えば主審がVARと交信して、「ディ・マリアの足がDFと交錯した」とか、「DFがディ・マリアを押した」という理由で、PKの判断をしたとします。ビデオでチェックすると、その接触が極めて軽微で、本来であればPKやファウルにはならない程度のものであったとしても、映像で主審の判断である「接触した」又は「押した」というエビデンスが得られます。その接触の程度が大きかったか小さかったかというような点は、この際関係ありません。主審の見た映像そのまま、ビデオで確認できるからVARは一切介入しないという訳です。もしこれが、例えば「接触した位置」がペナルティエリアの外だった場合は、VARが介入して「接触はあったがペナルティエリアの手前である」と主審に告げ、PKではなくエリアの外からのフリーキックに変更されます。同様に、もし映像で「接触していない」というエビデンスがある場合にも、VARは介入し、主審の判定が覆る事になるでしょう。ここがVARの難しいところで、VARがあるからといって完璧な判定になる訳ではないという話です。ここは、サッカー観戦をする際に抑えておきたいポイントです。


 VARの話と関連して、もう一つ、このような話題もありましたので紹介します。


JリーグがVARの新要素導入を発表! 大型映像にチェック事象表示、オフサイドラインの3D化 (GOAL)

www.goal.com/jp/ニュース/Jleague-J1-VAR-20230209/blt3c49b73d09c4c5b0

2023年2月09日 17:55

>Jリーグは9日、2023シーズンのビデオアシスタントレフェリーについて、「オフサイドラインの3D化」と「VARdict (バーディクト)」を新たに導入することを発表した。

>今回導入が伝えられている「VARdict」とは、専用のタブレットを通じてビデオマッチオフィシャルがチェックしている事象をスタジアム内の大型映像装置やインターネット中継・TV放送に自動連係できるシステム。主要国際大会・海外リーグですでに導入されているものと同じ仕組みとなり、J1クラブすべてのスタジアムで「VARdict」の情報が大型映像装置に表示される。

(中略)

>さらに、「オフサイドラインの3D化」に際してはオフサイドラインを投影できるカメラの数を2台から5台に増加。Jリーグにおいても、極めて正確な判定が可能となった。


 簡単に言えば、カタールワールドカップの時に近い、VARのシステムになるという話です。カタールでは最新鋭の技術がたくさん導入されていましたので、W杯の環境にはまだまだ、ほど遠いのですが、それでも少しずつ環境の整備が進んでいるという話で、サッカーを観戦する側としては喜ばしい事だと思います。因みに、W杯の時に導入されていた他の技術としては、サッカーボールの中に専用のチップを入れて、キックの瞬間を自動で判断する技術などがありました。これはオフサイドをチェックする時にとても有用で、パスを出した瞬間の衝撃を感知し、その瞬間と連動したVAR側の映像で3D可視化した上で、オフサイドかどうかを判定できます。つまり、極めて精度の高い、ミスのないオフサイド判定が可能という訳ですね。この技術、または同等の技術も、近いうちに日本のJリーグでも採用されるかも知れません。




2、限定 歴代Jリーグ日本人選手


 それでは表題の件に移ります。先に述べたように、AとBの2タイプを考えます。もう一度、この2種類について簡単に説明します。AはJリーグ加入後、海外に移籍して活躍、それから再びJリーグに復帰し、その経験をJリーグに持ち帰った選手です。Bは日本に帰化した選手、及びハーフなどの混血の選手です。それぞれ選手を選抜し、ベストイレブンを発表したいと思います。

(以下、敬称略)




A、Jリーグでデビュー → 海外で活躍 → Jリーグに復帰


 まずはこの条件に合う選手を選んでいきます。単純な海外組というだけではなく、Jリーグに復帰しないといけませんので、例えば中田英寿、長谷部誠、本田圭佑などは弾かれます。また「活躍した」というのも重要で、1シーズン以下で戻って来てしまった選手は省きます。同じく、FWもしくは攻撃的な選手であれば、ある程度の得点、アシスト数がある、守備的な選手であればある程度の試合出場数があるというのを条件とします。それでは候補選手を挙げていきましょう。


GK:川口能活

DF:内田篤人 酒井宏樹 中田浩二 長友佑都

MF:阿部勇樹 稲本潤一 小野伸二 清武弘嗣 中村俊輔

FW:乾貴士 宇佐美貴史 大久保嘉人 大黒将志 大迫勇也 高原直泰 松井大輔 武藤嘉紀


 この時点で、だいぶ絞られています。GKは川口一人しかいませんし、DFも数がギリギリです。阿部勇樹をDFに入れれば何とか一人余るといった程度です。GK川口に関しては、そこまで海外で出場できたわけではないのですが、他の候補がいませんので入れます。それでは、この中からベストイレブンを選抜していきましょう。GKとDFは確定で良いでしょう。酒井宏樹をCBに入れる形で。中盤は3人か4人かで変わってきます。4人の場合、海外での実績の少ない阿部勇樹を外して確定です。3人の場合は、海外での実績から考えて、清武弘嗣を省きます。最後にFWが2人ないし3人。海外での実績が比較的少ない、宇佐美貴史、大久保嘉人、大黒将志の3人は落選です。逆にJ1での実績の少ない乾貴士も落選とします。残ったのは大迫勇也、高原直泰、松井大輔、武藤嘉紀の4人。ここまで絞ったところで、フォーメーションを4-3-3で確定とし、MFとFWの残った候補から1人ずつふるい落とします。MFは決定済みですので、あとはFWの中から、J1での得点数の最も少ない松井大輔を省き、以下のメンバーで決定します。


大迫勇也 182センチ71キロ

     J1 171試合56得点 得点率0.327

     海外 198試合32得点 得点率0.161

高原直泰 181センチ75キロ

     J1 214試合78得点 得点率0.364

     海外 153試合30得点 得点率0.196

武藤嘉紀 179センチ72キロ

     J1 91試合34得点 得点率0.373

     海外 117試合22得点 得点率0.188


稲本潤一 181センチ77キロ

     J1 225試合19得点

     海外 156試合4得点

小野伸二 175センチ74キロ

     J1 206試合29得点

     海外 188試合28得点

中村俊輔 178センチ71キロ

     J1 408試合73得点

     海外 222試合40得点


内田篤人 176センチ67キロ

     J1 148試合3得点

     海外 106試合1得点

酒井宏樹 185センチ78キロ

     J1 76試合3得点

     海外 237試合3得点

中田浩二 182センチ74キロ

     J1 266試合33得点

     海外 71試合3得点

長友佑都 170センチ68キロ

     J1 112試合5得点

     海外 258試合11得点


川口能活 180センチ77キロ

     J1 421試合

     海外 20試合


   (フォメ―ション 4-3-3)


        大迫勇也

 武藤嘉紀          高原直泰

   中村俊輔      小野伸二

        稲本潤一

長友佑都 中田浩二  酒井宏樹 内田篤人

        川口能活




B、帰化選手 + 混血選手


 次はこちらに該当する候補選手を挙げていきます。まずは帰化選手からです。もちろん、単なる帰化選手ではなく、Jリーグで活躍した選手であることが条件になります。


GK:ハーフナーディド 朴一圭

DF:石川康 三都主アレサンドロ 田中マルクス闘莉王 フィッツジェラルド舞行龍ジェームズ 宮澤ミシェル

MF:ラモス瑠偉

FW:エスクデロ競飛王 ハーフナーマイク 李忠成 呂比須ワグナー


 思いの外、いっぱいいました。頑張れば帰化選手だけでもチームになりそうです。それでは次に、ハーフ、混血の選手も挙げていきましょう。


GK:オビパウエルオビンナ シュミットダニエル 鈴木彩艶

DF:酒井高徳 佐々木翔 バングーナガンデ佳史扶

MF:長谷川アーリアジャスール 藤田譲瑠チマ

FW:オナイウ阿道 カレンロバート 鈴木武蔵


 他にもいたような気がするのですが、思い出せないのと、候補の人数としては十分になりましたので、この辺りにしておきます。若い選手で、Jリーグでの実績がまだまだ不十分な選手も、一応名前だけ挙げておきました。これらを帰化選手と合わせた、全候補は以下の通りです。


GK:オビパウエルオビンナ シュミットダニエル 鈴木彩艶 ハーフナーディド 朴一圭

DF:石川康 酒井高徳 佐々木翔 三都主アレサンドロ 田中マルクス闘莉王 バングーナガンデ佳史扶 フィッツジェラルド舞行龍ジェームズ 宮澤ミシェル

MF:長谷川アーリアジャスール 藤田譲瑠チマ ラモス瑠偉

FW:エスクデロ競飛王 オナイウ阿道 カレンロバート 鈴木武蔵 ハーフナーマイク 李忠成 呂比須ワグナー


 それではベストイレブン選抜に入ります。MFが3人しかいませんので、フォーメーションは必然的に4-3-3になります。GKでは、実績面から見てシュミットダニエル、ハーフナーディド (ディドハーフナーと同一人物で、帰化後に名前の順序が入れ替わっています) 、朴一圭の3択です。ここはJリーグから海外へと羽ばたいた、シュミットダニエルを選択したいと思います。次にDFです。SBでは、三都主アレサンドロと酒井高徳が抜けた存在です。この両サイドは確定とします。CBには佐々木翔と田中マルクス闘莉王を選択しましょう。MFは3人ですので、そのまま確定です。最後のFWですが、ここは激戦区です。その中で圧倒的な得点力を誇る呂比須ワグナーは当確でしょう。それから、Jリーグでの実績が一番の李忠成も当確とします。残り1枠。オナイウ阿道、カレンロバート、鈴木武蔵、ハーフナーマイクの4人を最終候補とします。Jリーグでの実績で見ても、甲乙つけ難いところです。ここは独断と偏見で、高さという絶対的な武器を持つハーフナーマイクを選ぼうと思います。


ハーフナーマイク 194センチ92キロ 77試合21得点 0.272

李忠成 182センチ73キロ 301試合71得点 得点率0.235

呂比須ワグナー 182センチ75キロ 125試合69得点 得点率0.552


長谷川アーリアジャスール 186センチ75キロ 251試合17得点

藤田譲瑠チマ 174センチ74キロ 57試合2得点

ラモス瑠偉 181センチ71キロ 147試合9得点


酒井高徳 176センチ74キロ 190試合4得点

佐々木翔 177センチ70キロ 254試合17得点

三都主アレサンドロ 178センチ69キロ 353試合67得点

田中マルクス闘莉王 185センチ85キロ 395試合75得点


シュミットダニエル 197センチ88キロ 57試合


   (フォメ―ション 4-3-3)


       ハーフナー

 李忠成           呂比須

       ラモス瑠偉

    藤田チマ   長谷川

三都主  佐々木翔 闘莉王  酒井高徳

       シュミット

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る