第7話 南極基地危機一髪【2回戦①】
【ミカエル】:「それじゃあ2回戦始めるわよー!」
【全員】:「おー!」
プレイヤーに役割が割り振られた。
なんと私の役割は人狼だった。
ゆるるさんと共に人狼として動かなくてはいけない。
【ミカエル】:「ミュート」
画面が変わり、プレイヤー全員が最初の地点である会議室へと移動させられる。
ミュートにしてゲームを進め始める。
だが、多くのプレイヤーが会議室を出ることなく、会議室のタスクに集まる。
そしてそこで
(ゆるるさーん! 早すぎますよー!)
始まって早々と緊急会議が始まる。
【ミカエル】:「初手から重なりキルされてどうするのよ。びっくりしたわ」
ミカエルさんが呆れたように言う。
【卍】:「お恥ずかしいでござる」
【クエス】:「で、誰がやられたの?」
【ゆるる】:「みぃこよ。恥ずかしい子ね」
【ミカエル】:「それで誰が重なってたのかしら? 卍と詩子、それと亡くなったみぃこが重なってたのは知ってるけど。他は?」
【詩子】:「あとは……ゆるる先輩?」
【ゆるる】:「いいえ。私は少し離れてたから違うわよ」
【ミカエル】:「……それはつまりタスクをしていなかったと?」
【ゆるる】:「違うわ。タスクをしようとしていたら目の前でみぃこが」
【コロン】:「さっきの仕返しですか?」
【オルタ】:「こんなに早くも?」
【クエス】:「では、ゆるるに入れましょうか?」
【ゆるる】:「え? 待って。私じゃないわよ。卍と詩子の線は?」
【クエス】:「候補として入れておくよ」
そしてゆるるさんに票が集まり、彼女は追放された。
【ミカエル】:「再開するよー」
【クエス】:「ミュート!」
さて再開されたが、どうしよう?
唯一の味方であるゆるるさんが追放され、人狼は私一人。
私を入れて残りはあと7人もいる。ここから人狼が勝つにはクルーと同数にならないといけないから……5人も
今度は一箇所に集まることなく、皆は会議室を出て散り散りになる。
私も会議室を出て、クルーのフリをしてボイラー室に向かう。
先にクエスさんがボイラー室にいた。
私は別のタスクをしているフリをして様子を伺う。
(ここでやる? いや、ここはマップの端だし、誰かに見られたら……あっ!?)
そうこう迷っていたらクエスさんがタスクを終えて、ボイラー室を出て行った。
私は慌てて、クエスさんの後を追いかけたが、そこでユキノさんとすれ違った。
(あっぶな。急いで殺してたら見られてた。いや、ここはユキノさんを
私は何もせずに医務室へと向かうことにする。そして医務室に入る手前で私はコロンに会った。
(えい!)
私はキルボタンを押して、コロンを殺した。
そして急いで私はその場を離れ、マップ中央の会議室に向かう。
会議室には入ることをせず、少し立ち止まり一息つく。
そこへ下から卍が現れ、私は卍と共に隣の娯楽室に移動する。
(コロンの死体が見つかるまで白確として卍と行動するか? それともクールタイムを待ってから卍をやるか?)
クールタイムはキルボタンが復活する時間のこと。
人狼はすぐにクルーを殺すことは出来ず、一定時間の待ち時間が与えられている。
そのクールタイムは人狼が1人になると時間は短縮される。
だがクールタイム解除まで、まだ時間はかかりそうだ。
とにかく私は卍と共に娯楽室に入り、タスクをしているフリをする。
と、そこで緊急ブザーが鳴った。
【ミカエル】:「医務室前でコロンが亡くなってたわ」
【クエス】:「さっきの続きで言うなら卍と詩子が怪しいよね」
会議室でみぃこさんが重なりキルされた時、同じく重なっていた卍と詩子が怪しまれる。
【卍】:「拙者は違うでござるよ。あれはゆるるで終わったじゃないですか?」
【詩子】:「そうですよ。それに私、食料庫にいましたからね」
【クエス】:「その前は?」
【詩子】:「その前はキッチンです。卍先輩と共にキッチンでタスクを。その後、キッチンを出る時にクエス先輩とすれ違いました」
【クエス】:「うん。そうだったね。卍は?」
【卍】:「詩子と共にキッチンでタスクをした後、上に向かって、会議室の前でオルタと出会って、それから一緒に娯楽室でタスクをしたでごさるよ」
【クエス】:「おっ! 繋がった」
【ミカエル】:「繋がった? 何が?」
【クエス】:「僕とオルタはボイラー室に行ったのよ。その後、私が先に出て、キッチンへ。そこでキッチンから出てきた詩子に会ったの」
【ミカエル】:「ふむふむ。オルタはボイラー室の後は? 会議室の前で卍と会ったと言ってたけどタスク?」
【オルタ】:「タスクではないです」
【ミカエル】:「ん?」
【オルタ】:「ええとボイラー室の後、タスクのある方向に行ったんです。でも、会議室にはタスクはなくて。どこだろうとマップを開いて再確認してたところで卍に会いました。その後は卍と共に娯楽室でタスクを」
【ミカエル】:「なるほどね」
【卍】:「オルタは初心者だからね。どこのタスクか迷うよね」
どうやら一息ついていたことは、マップを見ていたことで誤魔化せたらしい。
【卍】:「あとは……ユキノとミカエルは?」
【ユキノ】:「私とミカエル先輩はまず始まってすぐ風呂掃除に。その後、別れて私はボイラー室に入ってタスクを2つこなしてましたた。確か私がボイラー室に入る前に、ちょうどボイラー室から出たオルタに会ったよ。ね?」
【オルタ】:「会いました」
【ミカエル】:「私は風呂掃除の後、クルー部屋。それから医務室に向かったの。で、コロンの死体を見つけたの」
【卍】:「なるほど、なるほど」
【クエス】:「ということは……」
【詩子】:「分からねえ! 誰なの?」
詩子さんが吠えた。
皆が皆、誰かに会っていたと言う。
そのため人狼探しは難しくなった。
【卍】:「怪しいのは発見したミカエルかな?」
【ミカエル】:「なんでよ! 私はユキノといたでしょ?」
【卍】:「でも、それは初めの方で風呂場の後は別れたんでしょ?」
【詩子】:「最悪、ユキノもグルなのでは?」
【ユキノ】:「そんなわけないよ。人狼はあと1人なんだから。さっき疑われたからといってひどいよ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます