第40話 検証終了

 ボスを倒すとリザルト画面となり、報酬として膨大な労力ポイントとアイテムが手に入ったことを知った。


 そしてオペレーターのマチルダが現れた。


『リーダー、お見事です。これにて討伐クエストは終了いたしました。残念ながらメカワ街を救うことは出来ませんでしたが、大勢の人を救うことは出来ました』


「え? そうなの?」


『敵の親玉を倒したことで大量の労力も手に入り、これで私達の街はますます発展することになるでしょう』


 そして私は自分の街に戻り、大量の労力ポイントとアイテムを使って街を開発。


『街のレベルが10に上がりました。おめでとうございます。新しくコミュニケーションと遠征が可能となりました』


「コミュニケーション? 遠征?」


『コミュニティは街の住民達と交流です。コミュニケーションマークが灯ったエリアをタップしてください』


 農業地帯にピンク色が灯ったを丸いマークがあり、私は農業地帯をタップ。


 すると農園をバックにしたシナリオパートが始まった。

 黒いシルエットのおじさんが話始める。


『リーダーのおかげで小麦がこんなにも実ったよ』


 その後もおじさんがリーダーである私をあれやこれやと褒めちぎる。


 次に私は武器製造工場をタップ。


 おじさんキャラがまた私を褒めちぎる。


 発電エリア。


 今度は若い男が現れた。ただし、シルエットで。


 そしてこの住民も私を褒めちぎる。


「……なんでシルエットなんだよ。てか、褒めてるだけじゃん。何がコミュニケーションだよ」


『では、次に遠征の説明をさせていただきます』


「遠征って、遠くに出向くってことだよね?」


『遠征は兵士を派遣して物資を手に入れることです。遠征をタップしてください』


 クエストの右隣にある遠征枠をタップした。


 遠征ページに画面が変わる。右上に所有兵士数800の文字がある。


『遠征には山、川、荒野、メカワ街の4つがあります。まずお好きなのを選んでください』


 私はメカワ街を選択。


『メカワ街への遠征には必要兵士数が300です。現在800ですので問題ありません。そのまま決定を押してください』


「了解」


 決定を押すと所有兵士数が500に減り、メカワ街の文字したにタイムが表示される。


「このタイムが0になったら遠征終了ってことね。…………ん? 8時間!? は!? 長くない?」


『遠征は開発と同じでゲームを閉じてもタイムは減りますので、どんどん遠征しましょう』


「なるほど。次は山かな」


 山に150、川に100、荒野に200と兵士を投入していく。


『注意事項として兵士数が0まで使用可能ですけど、兵士数が0になるとゾンビ達に攻め込まれると開発の失敗にも繋がりますので気をつけてください』


「それははよ言えや!」


 残り兵士数は50。


『途中でやめるときは遠征中止をタップしましょう』


「なら、山を中止にしよう」


『ただ、中止すると兵士数が減りますので気をつけてください』


「遅い!」


 戻ってきた兵士数は100。50減った。

 計150の兵士数でゾンビから街を守らないと駄目ということか。


『ゾンビは夜になる活発になるので夜に気をつけましょう。ちなみに今は昼です』


「ねえ! なんでそういうのを後で言うのさ!」


  ◯


「ふう。これで良いわけ?」


 ゲームを終了し、録画を切って私は佳奈に聞く。


「うん。良い感じにできたよ。あとはこれを詩子先輩に送るだけ」

「疲れた。何時間やった?」


 私はスマホで時間を確認する。


「……3時間! うわっ、そんなに! 風呂入って寝よ。あとはよろしくね」

「うん。お疲れ」


 佳奈に席を譲り、私は部屋を出る。

 そして階段を下りて、1階のリビングへ。


「ねえ? 今、お風呂、誰入ってる?」


 リビングでテレビを見ている母に聞く。


「誰も入ってないわよ」

「じゃあ、入ろ」


 私は脱衣所で服と下着を脱ぎ、風呂場へ入る。


 シャワーで体を洗い、バスタブの湯に浸かる。


「疲れたー」


 大学生活とVtuberの仕事は疲れる。


 今度、美菜に両立のコツを聞こうかな。

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