卒業

☆彡


 別れずに、2人は関係を進めることが出来た。卒業までは、図書委員の仕事、いろいろなイベントの企画に関わったり、受験などなど、苦労しつつも、楽しい生活。とにかく慌ただしく疾走感ある生活を行い続けていた。そして3年生の3月。とうとうその時が来た。卒業の時だった。


 ほぼ寮制となっているこの学園には、卒業したら殆ど元の家に戻るか、大学の寮に進学するしかない。2人は遠くに離れ離れになってしまうのだ。友人も、いろいろな関係が終わりかねないのだ。


 その話が、当然のように2人にも存在した…


☆彡


「…瑠璃は、卒業したら、家に戻るんだよな?そこで俺とは別の大学に通うと」

「そうです。ああ…別れないといけないのが…」


 2人は、別の大学に進む。会うのは難しくなると言うことから、別れざるを得ないのだ。遠距離は難しいとのこと。また、瑠璃の恐怖症の問題は寛解しており、そういう意味でも、別れても問題ないと言うが、気分的には…。


 しかし、一応連絡手段はある。連絡する事で話を進める。直接会うことはほぼなくなってしまうが、関係は終わらない。


「翠夢さん。いままでありがとう。忘れないです。でも…あっ」


 後ろから、瑠璃を逃がさないようにハグをした。

「…別れるのはつらいな。つらくならないように、1つ約束をするか?瑠璃のためだ。別に破ってもいいが…」



☆彡


 その約束は、今すぐではないが、2人がもう一度関係をやり直すための方法だった。


☆彡


 10年後…

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