長い旅路を続け、目的地と思われる学園へ
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最後の目的地までは長かった。どれくらいの距離を歩いただろうか。その目的地は、行けとは言われていたが、どんなものなのかはわかっていなかった。
しかし、2人はその目的地にたどり着いたとき、その目的地の建物に気が付いた。
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その建物は、2人が通っていた学園であったのだった。敷地は広く、そしていろいろなことが出来る。ここが最後の目的地であり、12歳の翠夢によると、現実世界に戻る方法はこの学園内で見つかるらしい。
「よく頑張ったな、瑠璃。あと少しで瑠璃は帰れるぞ」
「私だけじゃないです。2人で、です。2人で帰れるに言い換えてください」
「…そうだな。2人で帰ろう」
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校内に入ったのは良いが、どこに行けば良いのだろうか。クラスか?それとも、図書室か?一応、現在はツリーから花粉のようなものは飛びだしていない。外にいても大丈夫そうだが、何をするべきかはわからないので、最初に入ることに。
屋内に入ったのに、何もないのは妙である。今まではそんなことはなかった。
校内空の色は相変わらず赤い。その色で照らされた校内はホラー小説的な恐ろしい世界のはずだったのだが、妙なことになっていた。
「なんで光っているんだ…身体に何か起きていないか?」
「うん。何も起きてないです。とりあえず、自分たちのクラスに行きましょう」
瑠璃が何故か青く光っている。そして、暗い校内を明るく照らしている。手を繋いだまま、クラスの部屋に入ったら…
「あれ?瑠璃、どこに行ったんだ?」
「翠夢さ…」
部屋は、暗黒の空間だった。繋いでいたはずの手は既に放しており、2人は恋人の名前を呼ぶ。しかし、恋人には声は届かない。姿そのものが消えてしまったようだ。
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翠夢は目が慣れてきたのか、少しずつ周辺が明るくなってきた。しかし、急に光が強くなる。
そこでは、瑠璃が、鳩尾を刺された状態で倒れていた。
この時点で異常事態だ。早急に救急車を呼びたいが、スマホが存在せず、それができない。そもそもここはどこか。屋内にいたはずだが、それもわからない。何が起きたのか。
「…(なんだこれは?)」
すぐに警察がやってきた。取り調べをその場で受けることになった。
「オタクは何をしている?」
「いや、何もしていない…この子は恋人だ、でもここに倒れている理由はわからない。救急車を呼んでくれ、急いで」
「何を言ってるんだ?お前舐めているのか?」
「違う!この人を助けてくれ!取り調べには応じるから、助けて…」
瑠璃は救急車で運ばれていった。取り調べに関して、ナイフは翠夢の指紋ではないため、無罪となった。そんな記憶もないので当然だったが、それよりも瑠璃の方が心配だ。
当然、すぐに瑠璃が運ばれた病院に行くのだが…そこでは、思いもしなかった事態が発生した。
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瑠璃は、"何故か"病院先で帰らぬ人となっていた…
ベッドで倒れたままになっている。触ってもいいらしいので、少しだけ顔を触ってみる。身体はこんなに冷たくなってしまうのかと、驚愕せざるを得ない。まるで氷のように…しかし、翠夢は、怒りに燃えていた。
「どうして…このタイミングで…ふざけているのか!冗談じゃ…助けると言ったんだ!ここで倒れるな!最低でもお前だけはここから帰すと言ったんだ!」
怒りと悲しみを露わにした翠夢に、何故か周りの人はなだめようとしてきた。
「あの、そんなこと言われても困ります」
「何が困ります、だ!誰のせいでこうなったと…ああ…」
翠夢は、酷い罪悪感に襲われた。
「ごめん…本当にごめん…皆さん、本当に申し訳ありません。好きな人を…守ることが出来ませんでした」
翠夢は、我を取り戻した。
「…申し訳ありません。しばらく1人になります。話しかけないでくれ…」
外へ…倒れ込んだ。もう外は夜になっていた。
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そして…
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