最初の試練を超えた後の外は…
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最初の試練を超え、中学校の外に出る。外の遠くを見ると、謎の木のようなものが建てられていた。音もなく急に建てられる異常な光景。
さらに、その木は花粉のようなものを定期的に出している。黄色い色ではなく、空の赤い色に少し近い、毒々しい色であった。
「…?(これはいったい…まさか!?)」
毒々しい色の花粉のようなものがかなり長く残っている。不自然すぎるのだが、それを見ていたら、急激に強い風が吹き始めた。
当然、風に吹かれて花粉が飛んできた…
「まずいな…これは…」
「何?色の違う花粉が危ないの?」
「違う。あれは…すぐに息を止めろ!」
「えっ?…んっー。んっー!」
翠夢は、瑠璃の動きが間に合わないのを感じた。あれはただの花粉ではない。あれを吸うわけにも、吸わせるわけにもいかないと考えた。緊急の対応として、翠夢は瑠璃に無理やりに近い形でキスをした。
眼鏡が顔に押し付けられるような形になってしまった。押し付けた唇を緩め、無理をさせないように、少し額にずらすようにした。その後、背中に片腕を回すようにし、残っている手で瑠璃の鼻をつまむ。
当然瑠璃は抵抗するのだが、普段大して運動しない女の子の身体では振りほどくことは出来ず、そのまま抱きしめられてしまった。
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「んーっ。んっあっ(どうしてそんな…)」
「…(本当にごめん。でもこの子を守らなきゃいけない。後で謝らないと)」
「んっ。んっ。んっふっ…(苦しい…息させて…)」
「…(風が止みそうだ。もう少し頑張ってくれ…)」
1分以上経った後、完全に風が止んだ。翠夢は逃がさないようにしていたキスを止めた。瑠璃はすぐに唇を離し、息継ぎをした。息継ぎをしている途中、視界がぼやけていることに気が付き、ずれていた眼鏡を元に戻した。
「ぷはっ!…はぁ…はぁ…けほっけほっ。…あの、なんであんなに長く、急にキスをしたんですか?」
「ごめん…今から説明する。風が吹いてきて、花粉のようなものが飛んできただろう。あれはただの花粉ではないと見て感じた。身体についたりはしないのだが、毒を含んでいると思ったから、間違って吸うと肺が危ない」
「ええっ…」
「息を止めろと言ったのもそれがあったから。間に合わないように見えたから、無理やりにでもキスして止めさせた。こういうのが嫌なのに急にしてしまって、ごめん」
「…もう少し優しくしてほしかった。本当に苦しかったです。でも、プールでのキスが役に立ったのかも…」
「あれは隠れてするものだと思ったからだが、ここで役に立ったのは良かったな」
「でも、やらないといけなくなったら、もっと優しく…(鼓動が落ち着かない)」
「どうした。これからは優しくする」
「いえ!なんでもないです。後、眼鏡に無理させない感じのキスにしてほしいな。これからもよろしくお願いします」
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あの毒花粉は、触れること自体は問題はない。でも、吸ってはならない。色が非常に危険なものだから、本能で回避したのだ。
毒花粉を吸わないようにするために、外にはあまり長くいられない状態になった。危ないときはまたキスで乗り越えるしかない話をしたが、瑠璃は何度もされるのはつらいので、翠夢は今後なるべくしないで乗り越える事、キスしたとしても優しくするという約束をした。
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