2人の恋愛編

★彡 両想い、それは希望か絶望か

☆彡


 打ち上げに行く前に、ようやく交際を始めた翠夢と瑠璃。

 過去にいろいろあったのもあり、瑠璃は当然、翠夢も初である。過去の話はまだどちらも深いところまではしていないものの、何かあることだけは確かとどちらも思っているようだ。


 全体的な指針として、少しずつでも慣らしていきたい。その考え方で進めていくことを瑠璃は話した。無理はさせられないとして、翠夢は少しずつ確実に、仲を進めていくことになった。


 また、他人にこのことを話すことはせず、なるべく秘密裏…とまで行かなくともなるべく2人で進めていくことも約束している。他の人の話や影響を受けてそれを参考にすると、失敗する可能性が高いように思えたのだ。

 その考えはどちらかというと翠夢の考えだったが、参考に出来ないことが多くなるという考えだった。無理にやるべきでないことを押し付けることになりかねないという点もあった。


 とはいえ、恋人同士でないと出来ないことは進めていきたい。せめて卒業までに、男の人に慣れておきたいというのが、瑠璃の考えだった。それを念頭に置いたのが、今までの考えであった。

 この取り決めは基本的に2人で決めているものだった。言ってしまえば、初めて恋人同士でやったことと言える。



 そんな今後の希望にあふれる展開を考えつつ、翠夢は眠りについた…


★彡


『まさか、本当に好きな人が出来るとはな。しかも相手もそうだった。こんなことがあるんだな』

「ああ…チャンスは多分二度とないと思ったから。このご時世と俺の考え方から、もう女子と仲良くできることはないと思っていた」

『当然だな。かつてドが付くほど暗かったお前が仲良くなれるわけがなかった』

「どうしても、もっとあの子を知りたい。頭からすぐに離れてくれたらよかったのだが、難しかった」

『そりゃ、同じことを協力していたらそうなってもおかしくはないだろ』

「心配なことはあるが、乗り越えられるはずだ。女子と関わって、今までは絶望しかなかったしれないが、今回は基本的に希望がある。今の学園の状況を考えても、悪い事にはならないはずだ」


 話し相手になっていた謎の人物『城将』は、結局何者なのかはいまだはっきりしていない。翠夢の中にずっといるようだが、見当がつかないのだ。いつからいたのか、全く服装が変わっていない。

 この夢の中で考えたこともある。親しい人物がいろいろ隠れて話してきているのか、それとも個人か、

 しかしわざわざそういうことをしそうな人物もいない。それは学園内の人物もそうだった。親はもちろん祖父母ではなく、中学生までに出会った人物ではなさそうであり、ならばと過去と関わりのある人物でもなく、ましてや瑠璃ではない。


 結局この人物、『城将』が男と考えられること以外、わかることはないのだ。話はちゃんとできるが、何故か妙に偉そうな時もある。翠夢は、夢にもっと良い人が居てもいいと思っている。

 翠夢の夢の中に『城将』こと謎の人物がいるのは、希望なのか、絶望なのか。そして、恋人同士になった子との付き合いは、未来への希望となるのか、絶望となるのか。


★彡

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