学園祭2日目、出し物の当日

☆彡


 とうとう打ち上げる日がやってきた。最終的な調整を行うため、翠夢は少し早めに起きて確認を始めた。完全に期待しているようである。

 そんなところに、瑠璃もやってきた。当日なので、対応が必要になるかもしれないと考え、来たようだ。


「お、早く来たか。どうしてもこれを成功させたいと思うよ」

「私もそう思いますね。朝早いですね。のんびりしてもいいんですよ」

「打ち上げるとなって落ち着いていられなかったからな。それと…」


 必要な対応は、器具の準備。熱気球としてバーナー、ライトの取り付けである。これを想定通りに動かし、ちゃんとライトが点灯することを確認した。

「よし!これで行けるはずだ。大丈夫だ」

「あの、今まで…ありがとう」

「うん?どうした?」

「この企画に関わってくれてありがとう。あなたがいなければ…」


 結局瑠璃は言い切れなかった。おそらく、出来なかっただろう。そう考えられる。


 学園祭は必要な部分をすべて回る。今回は自由だ。


 そして夜。打ち上げだ!

 広い校庭でバーナーで熱を送る。慎重に、問題が起きた時に備えて水を出せるようにしてある。

 上がってきた…問題なく。熱を送ることに成功し、代表者が支え始めた。


 このタイミングで、翠夢は電気をつけた。電気によって上がっている気球の形が浮かび上がる。しかし、バランスが悪くなっているのを感じたようだ。

「みんなバランスを取れ!支えになれ!」


 気球が変なところに行ったりしないようにバランスを取ることに成功し、かなり長い間浮かせることが出来た。翠夢の発言は完璧なタイミングだった。


そして時間がたち、気球は地上に落ちていく。着地はうまくいかず、一部分は壊れてしまったものの、形としては成功になった。


「大成功だ!みんな!ありがとう!」

 この企画の代表者をみんなで胴上げしている姿を、翠夢と瑠璃は見ていた。


☆彡


「瑠璃さん。今までこういうことはあまり言わないのだが…俺をこの企画に誘ってくれてありがとう。何かお礼をしたい気分だ」

「ああ、別に…問題ないですよ。気分いいですね」


その後、瑠璃は何を考えたのか、翠夢とハグをした…急すぎた。

「ああっ…まて、それは…」

「うん…あれ!?」

急な展開に、瑠璃は真っ赤になり、謝った。

「そんなつもりはなくて、でも…本当にごめんなさい!(ああ、多分この人が好きなんだ…)」

「落ち着いて…瑠璃がするとは思ってなかったが(まずいな…見られてないか?)」


あまりにも急すぎて、2人は考えがまとまらなく成ってしまった。その後、代表者からの発言で、何とか平静を保てるようになった。


「最後だ!みんなありがとう!この後は打ち上げ会として食事だ!」


☆彡

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