瑠璃のために、動かなければ
☆彡
学園祭の後夜祭が終わる。これでお開きだ。
学園祭の出し物が終わった。それに、翠夢と少女は参加していた。リーダー格の人に誘われている。
「最後の飲み会いこー」
「趣味ではないが、別に悪くはないな。行くか」
「うん…行くよ…行けるから大丈夫」
☆彡
少女が少し違和感のある動きをしている。
「疲れていないか?」
「大丈夫。終わったから、少し安心してるだけ。翠夢さんの方こそ、言いたいことがありそう」
「よくわかったな」
「なんだかんだで2人で作業した時も…」
「どうした?」
「いや、なんでもないです!本当に、何でも…」
「…そうだな。この後の集まりに行く前に、2人でちょっと話したい。できるか?準備して、行く前に2人で会って話す」
「あ、よろしくお願いします。ちょっと期待して待ってます」
翠夢と少女は2人で集まった。夕暮れを過ぎ、既に部屋は暗くなっていた。
少女は、もしかしたら、ということを考えて椅子に座っていた。
「…まず先に行っておこう。学園祭、ありがとう。誘ってくれて」
「ありがとうございます。あの、私も、あなたに話したいことができまして。でも、翠夢さんが話したいなら、それでもいいですよ」
☆彡
翠夢は、ある種の期待と感情の昂ぶりを抑えつつ、話した。
「そうだな。先に話そう。…少女のことが好きだから、俺と付き合ってほしい」
「あっ…んっ…」
少女は今までぶつけられたことのない感情をぶつけられた。同時に、翠夢に話そうとしていたことを先に言われてしまったことに気が付く。
「あの、本当にいいのですか?私も…好きなのですが、その場合は守ってほしいことがいくつかあるのですが…」
「問題ない。好きなのは変わらないし、好きな女の子に対して約束を守るのは当然だと思う。だから大丈夫。不安かもしれないけど、言ってみて」
「わかりました…ちょっと話が重くなるから、椅子に座って、落ち着いて話したい」
翠夢と瑠璃は椅子に座る。瑠璃は緊張しているのか、身体の動きが安定していない。翠夢は自分でも思う程度には落ち着いている。相手の緊張があるから、しっかりしないといけないと考えているようだ。
「あの、私には、男の人が少し怖いんです。所謂、男性恐怖症なところがあります」
「…(やはり…違和感はそれか、想定通りか)」
「だから…難しくなるかもしれないです。つらいかもしれないです」
「そうか…」
やはりどちらも無理だったのかと、諦める空気が両方に漂う。瑠璃自体、付き合いたいという気持ちはあるが、迷惑かもしれない。翠夢はあきらめるべきではないと考えていたが、それでも気が進まない部分があった。
☆彡
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