欲にまみれた情~コードR~


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 そうだ。お前は手を上げただけではない


 本当はお前もわかっているだろう?

 お前は、あの子が欲しくてたまらない。


 健全な男子高校生が、同年代の女子高生と仲良くなって付き合える。

 しかも好みのタイプど真ん中と言える。


 こんなことが高校生の時に出来る人は限られている。

 しかも、過去に良くないことがあり、それを未だ抱えている人が。


 でも付き合おうとした女子高生は、男のことが怖い。

 そんな子。

 それを、お前は了承して付き合った。

 それを理解して、配慮し続けた。その配慮は……


 これからも、きっと報われない。

 ヤレないのって。寂しいよね?切ないよね?


 そうだ…それでいい。

 お前は、ここであれば望むことが出来る。それを、実行できる。

 相手のことなど、考えなくていい。


 もう、この世界からは出られないから。

 

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 翠夢は、城将ルークに身体を乗っ取られてしまった。乗っ取られてしまった身体、この主導権は当然、城将ルークにある。

「(何をするつもりだ!やめろ!)」

『(お前が抑え込んでいた、望みを叶えてやるんだ。自分のことは自分が良く知っている。シたいんだろ?)』


 『翠夢』は、座り込んでいる瑠璃の近くに寄っていった。そして…


「翠夢さん…ちょっと…キャッ!…待って?どうしたの!?」

『ああ…そうだ。そうだ。ここなら安全に…』


 『翠夢』は、瑠璃をむやみに押し倒した。瑠璃はまったく警戒していなかったからか、マウントをあっさりと取られてしまう。今まで考えていたかったことを急にされれば対応できるわけがなかった。翠夢が今までこの子に信用されるように動き続けたのを、城将ルークは逆に利用した。


「あの…やめて…本当にそれは、それは…どうして、どうしてそんな…」

『黙ってろ!本当に男が苦手なら俺も嫌がるはずだろ!』

「違う…(なんだこれ…翠夢さん本人なの…)」


 瑠璃は、この『翠夢』に違和感を覚えていた。少し前に翠夢を滅ぼそうとした、"城将"かもしれない。この世界では何が起きてもおかしくない。中身が"城将"だとしたら…


「なあ瑠璃よぉ。俺のことが好きか?」

「もう、あなたのことは好きではないです。こんな乱暴なことをする人…」

「俺はお前のことが好きなんだぞ!男の人が怖いというのに配慮して付き合い続けたんだ。お前はそれに答えるのが筋というものだろ」


 瑠璃は何とか抵抗し続けたが、完全に上を取られてしまった。この時点でもう震えが止まらない。涙のせいでもう見えなくなり、それが恐怖をさらに増大させていた。眼鏡の後ろから見える、目から流れ続ける涙が、『翠夢』の劣情を刺激し続ける。

「はあ…はぁ…あっ…(嫌なの、本当…ああ、助けて!助けて翠夢さん!こんな人に負けないで!)」


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