活動がなく終了…するはずだった
☆彡
まず話を聞きに行くことに。最低限のことを行うこととなったのだが、この内容は退屈なものだった。
「衛生面はどうしましょうか?食事方法は?」
「お金の扱いは金券」
想像以上に退屈なものであったが、翠夢はとりあえず、取り組みだけでも理解しようとしていた。メモにとっておいていた。
逆に、瑠璃は話を聞いているだけであった。話自体は問題なく聞いている。
「明日、この取り決めがあったことは話さないといけないな」
「そうですね…メモが多く書かれていたから、あなたが話をメインにするのがいいと思います。足りない所はフォローします」
「それでいくか。今日はありがとうな」
「この役割は決められたことだし、チラ見した限りではメモもわかりやすいものだったから、大丈夫だと思います」
「お疲れ様。それではまた明日…(…あの子、メモを見ていたのか)」
☆彡
その次の日。朝のホームルームによってこの共通事項の説明を行った。この話自体は問題なく、クラス皆にわかりやすく動きやすい状態を作ることに成功した。
のだが、夕方に実行委員としての活動はいったん終了となってしまった。これからは、出し物を出す人がその実行委員的なものとして活動するということとなっていた。
「そうか…もう終わりか…(つまらない。やる気が出てきたのにこんな形で終わりかよ…何かやることが他にないか?)」
翠夢はこの話で力が抜けていったが、そこに瑠璃が話をしてきた。
☆彡
「あの…ちょっとついてきてください」
「ああ…(ん?どうした)」
「はぁ…あの、私の企画に参加しませんか?厳密には…私が関わっている企画に」
「…できるなら、関わりたいと思ってるが、何をすることになる?」
「気球を…打ち上げるものです。その外の部分を作成するということです。人が足りなくて…後、昔ここで行われていたことの復活の意味合いもあるようです」
翠夢は、この企画に関わった方がいいと思っていた。誘ってきた人が実行委員であること、考えていたことの半分も関われていないこと。
「…わかった。協力しよう。かつて行われていたものを一度復活させてみるというのにも興味がある。同じ作業の繰り返しなら、任せておいていいぞ」
「あの、ありがとうございます。基本的に放課後に作成するので、よろしくお願いします」
関係はここで直ぐに終わるはずだった。翠夢と瑠璃の関係は。
しかし、ここにきて同じ道を進むことになった。同じ企画に参加し、出し物を共同で作成することになった。2人だけではないとはいえ、誘われたのであれば何か意識するのは当然だろう。この時の2人は、まさかあんなことになろうとは…予測しているわけがなかった。
☆彡
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます