学園祭編(馴れ初め)
まさかの学園祭のメイン実行委員へ…
☆彡
「よーし。学園祭のメイン実行委員を決めるぞ」
2年生の2学期を迎えていた。ここの学園では体育祭は1学期で行われるので、そうなれば次のイベントは文化祭…学園祭である。
翠夢は、今までこの学園ではあまり自分では動いていなかった。過去があまりに厳しかったため、初めは精神的に休むようにしていた。
しかし、流石にそうやって動いて1年以上過ぎている。いろいろと違いの多い学園にも完璧に慣れていると言え、このタイミングが最善と考えていた。
「はい。よろしくお願いします」
「男子は決まったな。じゃあ女子はどうする」
☆彡
実行委員。簡単に決まるときと決まらない時がある。偏差値が高いほど決まるのが早いという話であるが、今回は違うようだ。
女子はなかなか決まらなかった。こうなってしまうとあまり明るいとは言えない人に押し付けたり、明るい陽寄りの女子がやりたがって男子が振り回されるという展開になりがちだ。
☆彡
そんな考えを翠夢は持っており、面倒なことになる…と思った矢先に、手を挙げている女子を見つけた。
「私がやります」
「本当か?」
「はい。できると思います」
手を挙げていた女子。この女の子の名前は、瑠璃。後の恋愛相手となる子である。
瑠璃については、翠夢から見た印象は、雰囲気がやや独特で、落ち着いた女子。あえて言うなら、好みのタイプに近いと言える。
その逆に、瑠璃から翠夢を見た印象は、かつて荒れていたのかもしれないけど、別に悪い人ではない印象。怖い所もあるのだが、それは彼女にとっては、男の人全般に怖い所があるため、悪い人ではないだけでできるかもしれないと考えたようだ。
その二人が、実行委員として名を挙げることとなった。
☆彡
翠夢は、先に瑠璃に話をしてみることにした。
「よろしくな。瑠璃さんは図書委員だから、俺の方がフットワーク軽くできるはずだ」
「…あ、よろしくお願いします。…(大丈夫かな…)」
「…(どうした?妙な態度だな…まあいいか。面倒がないし)最初の仕事は夕方の集まりだな」
「あ、その時は行きます。やらないと、大丈夫」
翠夢は瑠璃に妙な違和感を感じつつも、一旦は気のせいと考えることにした。
そう、この時は、まだ瑠璃に対してそういうこともある。そういうタイプ、人見知りの子なのかもしれないと翠夢は考えていたのである。
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