型を決めるのに…図書室へ!

 出し物としての気球作成には、型が必要である。

 それを翠夢と瑠璃は理解していたものの、型、どのような形にするかはまとまらなかった。


☆彡


 アイデアと言えば、図書室からできるのかもしれないと、瑠璃は考えた。

「…あの…ちょっと本で調べてみません?」

「ああ…本という手があったか。形を考えるのに使えるかもしれないな」

「ありがとうございます。ついてきて下さいね」


 気球は2人だけで作成しているわけではなく、他の人の協力も得られたかもしれないが、言う前に瑠璃は行ってしまった。翠夢は瑠璃の表情が少し青ざめていたかな…と思う。


 微妙な距離ではあるが、2人とも距離が近づいているのを感じる。


☆彡



 図書室にたどり着く。ここで2人でいろいろな本を見て、使えそうな型やネタを集めていく。気球と呼んでいるが、実際に乗るわけではないため、浮くことさえできれば何でもできるはず。


 そう考えて1時間くらい経っている。新しい型のために本を見るのだが、本棚の後ろが見える。そこで翠夢と瑠璃は、目線が合ってしまった…


「…(しまっ…)」

「あっうんっ…」


 いきなり目線が合ってしまったからか、瑠璃は転んでしまった。翠夢は急いで駆け付けた。


「大丈夫か?怪我はないか?」

「怪我はないです。目線が急にあってびっくりしただけ…手伝いはなくていいです」

「うーん、そうか。気をつけてな。一応助けられるから、遠慮しなくていい」

「本当に大丈夫です。…ここで集めた型を一度見てみます?」

「もう1時間以上経ってるし、やってみるか」


 2人で型を確かめてみている。いろいろなパターンがあるが、やはり2人で決めるものではないので、良さそうなものをある程度厳選して、そうでないものも残しておくという形である。その途中、同じ方向に手を伸ばして…


「しまった…」

「うわっ…」

 瑠璃はバランスを崩してしまい、椅子から落ちかけてしまうが、翠夢が椅子を支えつつ、瑠璃は何とか椅子から落ちないようにした。


「…危なかった、…あ、ありがとうございます」

「…あ、ああ。怪我無くて良かった」


 2人は、まとめを終え、図書室から出た。

 片方の異性に対して、妙な違和感と感情を抱えながら。


☆彡


 そして、翠夢は夜に、また謎の人物が出てくる夢を見た。

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