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「新しく参りました。よろしくお願いします」

「名前は?」

「松篠と申します」

 あの時が既に上書き保存だったのだ。

 自惚れるなよ、准教授。

 もう覚えていないんだ。

 前の記憶なんて。

「おお。もう終わってたんですね、めっちゃん」

「三芳早いな」

 残念そうな、安心したような釈然としない声を出すな。

 耳に残る。

 松篠は三芳から眼鏡を奪い、竹葦の頭にすっと刺した。

 時に行動は口よりものを言う。

 指に挟んで折り畳み、三芳に返してやる。

 

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