第21話 新たなる敵
女性が目を覚ますまでの間、僕は涼海さんの指導で五芒星の線を消すことにした。
僕以外の人間にはこの五芒星は見えないが、黒い九尾の狐の尻尾を持っている僕には見えてしまう。部屋の床のど真ん中にこれがあると何とも落ち着かない。特にそういう効果はないのだが、五芒星が魔法陣のようにも見えてしまい、ここから何かしらの妖が出てくるのではと思えてしまう。ヒメウツギなどは、また何かあったら使うかもしれないからこのままにしておけばと言うのだが、僕の心の平穏のために消させてもらうことにした。
「ようし。まずは、この線に僕の気を流し込むんだよね」
「そう。基本的に陰陽師の技は全般的に練り込んだ気を使うの。だから、逆に言えば効果を持たせるために作った五芒星は気を流し込んで剥がすのよ」
涼海さんの言う気の基本的な構造がさっぱり分からないが、ここは理解するよりもやってみることにする。
何が起きるか分からないので、僕は恐る恐る気を五芒星の陣に流しこんだ。少しずつ五芒星の線へと僕の気が注がれていく。紙が水で染みるように、五芒星の線が僕の気で染まっていく。やがて五芒星の見える範囲は全て僕の気で満ちた。
「うん。いいね。かなり気が扱えているよ。じゃあ、五芒星の端を摘んで持ち上げてみて」
「分かった」
こんな事で壁に貼ったシールのように剥がせるのだろうか?僕は涼海さんに言われた通り五芒星の線の端を摘んだ。驚いたことに線が摘めたのだ。感触で言えば布を摘んでいるような感じだ。僕は五芒星の端っこの線を持って、シールを剥がすように持ち上げた。ペリペリっという音はしないが、床に引っ付いていた五芒星が端から徐々に剥がれていく。
うわ。これ楽しい。
この感触はどう表現していいか分からないが、水で貼るステッカーを剥がす時の感触に近いだろうか。梱包用のプチプチを潰す時の楽しさに似てクセになる。全部剥がし終わると、申し訳なさそうにクタッとなった五芒星が僕の手にぶら下がっている。
「おお。雄二くんうまいね。職人になれるよ」
「うん。壁紙職人も楽しそうだね」
「壁紙?えーと、左官職人のことかな?」
「うーん。土壁の職人とはちょっと違うけど…まあ、左官みたいなものだよ。ただ、土じゃなくて家の壁にこういった壁紙を綺麗に貼る職人だよ」
「おお。そう言えばこのお家に土壁ないね」
「最近だと土壁はアートのような感じで、普通の家ではあまり使わないかも」
「へえ。そうなんだ」
と涼海さんは言ったが、この顔はアートが何なのか分かっていない感じがする。
「で、この五芒星をどうすればいいの?」
「あ、そうだね。妖がそれを拾って悪さするといけないから、基本的に使い終わった五芒星は自分で処分するの。今度はそれを燃す想像をして。そうすれば、役目を終えて消滅するよ」
「なるほど」
ちょっと勿体無い気もするが、これを取っておいたばかりに敵に悪用されたら目も当てられない。僕はまた目を瞑って手に持っている萎びた五芒星が燃えるよう想像した。ちょっと難しい想像だが、頭の中で萎びた五芒星が煙を上げて燃えると、手に持っている五芒星が煙を上げた。目を開けると、もう殆どが燃えていて残すは自分の摘んでいる箇所だけだった。
残りを床に落とそうか迷っていると、「そのまま持っていて大丈夫だよ」と涼海さんが言う。
最近思うのだが、涼海さんは僕の心を読んでいるかのような会話をする。ずっと一緒にいると何も言わなくても相手の考えていることが何となく分かるらしいが、その域に入ってきたのだろうか?
そんな事を思っているうちに、僕の手の中で五芒星が燃え尽きた。
「ふむ。見事です雄二さま。私も長いこと現世に留まらせてもらっていますが、妖の力と神道の力の両方を使いこなす人物は初めてです。この先も精進を重ねて今度は仏僧の力を…」
「いやいや、褒めてくれるのは嬉しいけどそんな一気には無理だよ。まずはヒメウツギからこの尻尾の力をもっと使えるように指導してもらわないと」
「もちろんです!!任せてください!!」
ヒメウツギは俄然やる気になったようだ。まあ、そのために僕に付いてくれている面もあるので、勉強も剣道も妖力も頑張らなくてはならない。
後片付けも終わり、部屋に静寂が戻った。
涼海さんは疲れたのか、もういつもの場所に目を瞑って寝そべっている。小さな女性もすぐ隣にいるので潰されないか心配になる。その時、あろうことか涼海さんが寝返りをうった。涼海さんの肩が女性とスレスレの位置にきた。これは危なくて見ていられない。
涼海さんは、きっとここは自分の場所だと言いたいのだ。雄二は仕方なく女性を移動させることにした。
両手で水を掬うように女性を持ち、床に置かれたクッションへと運ぶ。
女性をそのクッションへ寝かせると同時に、女性の目がぱっと開いた。
「あ、起きた」
僕がそう言うと同時に、女性は跳ね上がって飛び起きて戦闘の構えをしたが、クッションに足を取られて尻から転倒した。小さな身体には、ゴワゴワとしたクッションは足元が悪すぎるようだ。女性は何とか立ち上がると、自分の手を見た後に僕を見上げた。自分がとんでもなく小さくなった今の状況に驚いているのだろう。
「あ、あの。驚かせてごめんなさい。僕は志田雄二。学校であなたと戦ったけど、それは覚えてる?」
僕は両手を上げた。交戦の意思はないと表現したかったのだが伝わっただろうか?
女性は僕を睨みながらも頷いた。ただ、用心してかまだ戦いの構えは崩していない。まあ、目覚めたらこの状況だ。警戒もするだろう。
「ええと、その、なんだ…僕たちは敵でもなければ味方でも…いや、違うな…ええと、て、敵じゃな…」
僕がうまく説明できないでいると、ヒメウツギが痺れを切らして会話に割って入った。
「そこが女。我々は黒い九尾の狐さまの意思を継ぐものだ。主と対の白い九尾の狐は悪の魂を持ち、この日本を滅ぼしかねない。そこで、我々はそれを防ぐために日々活動している」
これを聞いた女性の表情が明らかに変わった。
そして何かを話し始めたが、声が小さすぎて聞こえない。考えてみればこれだけ小さくなってしまうと声帯もそれだけ小さくなり、声量も落ちるはずだ。
「ごめんなさい。何を言っているのか聞き取れないよ。ヒメウツギは聞こえる?」
「いえ、私にも聞き取れません。これは困りましたね」
女性はむくれて怒っている。
「こんな時こそ尻尾だよ!!」
いつの間にか起きていた涼海さんが僕の隣に立って言う。
「尻尾でどうするの?」
「もう、尻尾の力で想具を出せばいいのよ。その尻尾なら便利グッズ創れるよ」
「べ、便利グッズ??」
創れるかもしれないが、何を創ればいいと言うのだろうか?僕はちょっと考えてみた。女性の声を聞き取るにはどうするか…声を大きくするグッズは女性の鼓膜が破れかねないので厳しい。では、小さな音を聞き分けられるグッズはどうだろうか?小さな音が聞こえるという事は、他の音も大きくなるという事だからこれも厳しい。では、どうすれば…
腕組みをして目を瞑る。
しばしの時間考えるも、いいアイディアが出ない。この女性と意思疎通を取るには…ん?待てよ…
僕の頭にスマホが思い浮かぶ。
これだ!!と思い、雄二は目を開け、早速尻尾の力を総動員して思ったものを具現化してみる。その様子を皆がじっと見ている。僕の手の中に耳掛けの付いた長細いものが三つできた。
「ねえ、ヒメウツギと涼海さん。これを耳につけてみて」
僕はその長細いものを二人に渡した。二人がそれを付けると、僕はその効果を試してみることにした。少し離れた場所に立つと、小さな声を出してみた。
「あーあー、テステス。ただいまマイクのテスト中。ヒメウツギ、涼海さん。感度ありますか?どうぞ」
「こちらヒメウツギ。感度良好です」
「凪も聞こえるよ!!」
これならいけそうだ。要は電話のようなシステムならどれだけ小さな声だとしても皆が聞こえると思ったのだ。ただ、この女性用のサイズのものを創るのは難儀しそうだ…そして、想具がこんなものまで創れてしまうことに驚いた。昔の人々は実はこの想具で非常に現代的な生活をしていた可能性がある。
それから数時間かけ、僕はこの女性用の耳掛け電話を何とか創り上げた。
もう夜中をとっくに過ぎている。ヒメウツギも涼海さんも僕のベッドの上で夢の中だ。
「よし。これをテストしてみよう」
僕が想具電話を創っているのを見た女性は、完成するまではとまだ起きていた。僕は女性に渾身の耳掛け電話を渡す。親指の上に乗ったミクロサイズの電話は本来のサイズの100/1サイズだ。よくこんなものを創れたと思う。職人の世界に向いているのかもしれない。しかも、この女性の魂の固定と同様に消えないように想具を固定できた。これで毎回これを創ることなく会話できるはずだ。
女性が耳掛け電話を付けたのを確認し、話しかける。
「お待たせしました。僕の声が聞こえますか?」
「うん。聞こえるよ。私の声は?」
「聞こえます。よかったぁ」
思ったよりも落ち着いて低い声が聞こえ、僕は思わずガッツポーズをした。
「改めまして。僕は志田雄二です。あなたのお名前は?」
「さて、名乗っていいものか迷うな…」
女性は下を向いて考え込んだ。どうやら、本当に名を名乗るかどうか考えている。そして、女性は僕を見上げた。
「うむ。これは中々首が痛い。首を鍛えなければ…で、名前だね。ここで私が名乗れば、君は否応なく大きな戦いに巻き込まれてしまう。その戦いは先ほどそこの狐が言ったような九尾の狐との戦いとはまた違う戦いだ。今回の件もそれが絡んでいる。そして、そんなものに巻き込まれては九尾の狐どころの話しではなくなってしまう。私の名前を聞かないで、この魂も消滅したことにすれば無用な争いに巻き込まれる事はない。それはこの私の存在の問題でもある」
「よく分からないけど、あなたの魂を分割したのは『犬』なんでしょ?」
「『犬』?いや、違う。そんな奴ではない」
「え…」
僕は混乱してきた。茨城の笠間で悪さをしているのは『犬』ではないのか?それとも今回の事は本当に『犬』と何も関係ないのか?いや、それはないだろう。『犬』が介在していなければ、わざわざ僕の通っている学校にピンポイントで二回も怪異が現れる事はないだろう。
僕は女性を見た。
目力が強く、お洒落インフルエンサーが着ているような服を着こなすこの女性はどういう立場の人間なのか益々分からない。ただ、戦いというワードが出たからには、僕と同じように怪異と何らかの形で関わっている可能性はある。
「そんなに見られると恥ずかしい」
女性は顔を赤くして下を向いた。ボソボソした話し方も少し影のありそうな感じも、彼女が恥ずかしがり屋だからなのかもしれない。
「あなたも怪異と戦っているの?」
「まあ…そう…。戦っているというよりも押さえ付けていると言った方が正しいかも」
すると、いつ起きたのかヒメウツギが「そこが女の本体は無事なのか?」といきなり女性に聞いた。いつ起きていつ僕の肩に乗ったのだろう?
「へー。私の状況がわかっているの?」女性は若干懐疑的だが興味深そうな目をこちらに向ける。
「まあ、ある程度はな…だからそこまで小さくなった上で魂を固定させてもらった」とヒメウツギ。
「なるほど。そこまでして私から話しが聞きたいと…」
「その通りだ。もちろんこちらも提供できる情報は提供する」
ヒメウツギの返しに女性はまた考え込んだ。どこまでの情報を出すのかを思案しているのかもしれない。若干時間ができたので、僕はヒメウツギと話す。
「彼女が戦っているのは『犬』じゃないみたいだよ。あと、僕たちの戦いとは違う戦いをしているって」と、どこまで聞いていたのか分からないヒメウツギに補足した。ヒメウツギは静かに頷いた。
「では、言い方を変える。私は黒き九尾の狐さまの眷属。其方が守っているのは『誰』なのか?」
女性の顔つきが変わった。更に厳しい顔つきになったとも言える。
「それは…言えない」
「なるほど…そうか…では、其方の本名は聞くまい。しかし、呼名がなければ不便極まりない。其方を何と呼べば良い?」
女性は、また表情を変えて僕らを見上げた。今度は少しだけ表情が柔らかくなっているようだ。ヒメウツギと彼女の会話に潜む事実が何なのか分からないが、良い方へと進んだような感じは受ける。
「そうね…じゃあ、リリィって呼んで」
「へ?日本人じゃないの?」と僕が聞くと、女性は下を向いて恥ずかしそうに「いや、その…ちょっと、そう呼ばれたくて…」と顔を真っ赤にしてモジモジしながら言う。
「ふーん。わかった。で、ちょっと整理したいんだけど、リリィの身体は遠くにあって、魂のほとんども身体の側にあるの?」
「それは…分からない。ただ、他の魂が繋がっている感覚はあるので、大元の魂はどこかに封印されているはず。そして肉体が死ねば魂も死ぬので、私の身体もまだ大丈夫だと思う」
「なるほど。でも、取り返すなら急いだ方が良さそうだね」
「ダメ!!そんな危険な事はさせられない!!」
リリィは本気で叫んだ。彼女の置かれている状況はそれだけ厳しいのだ。
「まあ、そこは後にしましょう」とヒメウツギが場を収める。そして、続けて「未だ現代に其方のような人間がいたとは驚きだが、それだけ強大なモノを守っているのだと思う」と言った。
リリィは何も言わずヒメウツギの話しに耳を傾けている。
「もしかすると、リリィ殿の敵は妖ではなく人間なのかもしれないが、直接関係なさそうな我々に、どうしてリリィ殿を仕向けたのだ?」
「そうね…ちょっと言えないことが多いけど、私を今の状況に追い込んだ奴からは、あの学校で私に立ち向かえる人間が来たら少しでも傷つけて、私の魂が消えるくらいのダメージを受けろという指令だったわ。本当にそんなことができる人間がいるとは思えなかったから、あの幽霊ちゃんの後にあなたが出てきた時は衝撃だったわ。ねえ、志田さんは本当に九尾の狐の力を使えるの?」
「え?僕?うん。まだ完全には無理だから特訓中なんだ」
リリィは頷いて言う。
「何があったか知らないけど、そんなことができる人間がいたことにこっちが驚くよ。過去にも現代にもそんな人間がいるなんて記述はないし、そんな事が可能だとはとても思えないから…それで、あいつらが私をここに送り込んだのは、方々から入ってくる情報の明確化が目的だったのだかもしれない」
「リリィ殿。そこまでにしておいてくれ」
そう言うと、ヒメウツギは僕の肩から飛び降りて、僕と向かい合った。
「雄二さま。リリィ殿の事はひとまず置いておきましょう。全ては私の予想が甘かったことに起因しております。申し訳ありませんでした」
ヒメウツギは頭を下げた。
「いやいや、頭を上げてよ。ヒメウツギは何も悪くないよ」
頭を上げたヒメウツギは、それでも苦虫を潰したような顔をして、「私は、『犬』がここまで狡猾だとは思っていませんでした。どうやら、今、日本は混沌状態のようです。九尾の狐さま、巨大な悪霊、それに関わる者たちが、化かし合いをしながらお互いの利益を最大限にしようとしています。その中に我々は放り込まれようとしています。リリィ殿が懸念するように、このままでは私たち、ひいては日本がまずい状況に陥ります」
「全体が全く見えないけど、どうすればいいのかな?」
ヒメウツギはリリィをチラッと見た後、僕の目をしっかりと見た。
「最速での解決は、雄二さまが尻尾を使いこなせるようになることですが、それにはまだまだ時間がかかります。リリィ殿を助けたいと思う気持ちは分からないでもありませんが、ここは一つ慎重になって時を待った方が良いかと思います」
ヒメウツギがここまで言うからには、リリィの案件は今の僕には解決が難しいのだろう。
「しかし、待てと言うには少し難しい事がありまして…」
ヒメウツギは言葉を詰まらせて、目線をずらした。
何だろう?ヒメウツギが言い淀むほどの事がまだあるのだろうか?
一瞬、しんとした部屋に、「それはそこの女の子の敵と『犬』が手を組んでここを襲撃する事だー!!」と涼海さんの声が響いた。
「うわ!!びっくりした。え?でも今もうそうなっているんじゃないの?」
「ううん。まだよ。この女の子を仕向けた側も、雄二くんの存在を話半分で聞いているから、この娘をこんな形で送り込んで来たのよ。でも、小さな魂だとしてもこの娘を撃退できる人間がいると分かれば、本腰を入れてきそうね。一番怖いのは、そいつらがこの娘のように雄二くんを利用しようと考えることよ」
「え?利用?」
「そう。その娘と同じように身体と魂を引き剥がした雄二くんの魂を利用して悪霊、怪異との戦いに利用するのよ」
「なんで、そんな酷いことを…」
涼海さんはいつになく怖い顔をして、「人間は数百年経っても、最上位の権力を欲しがる生き物なのよ」と言った。
すると、リリィさんが恐る恐る、涼海さんに話しかけた。
「あ、あの、私はリリィといいます。あなたは私が学校に行った時、いち早く私を見つけて結界を貼りました。でも、私はあんなやり方は過去の文献でも見たことがありません。あれはどこの流派なのでしょうか?」
「うーん、流派っていうかねえ…まあ、そのうち話してあげるよ。それよりもあなた異国の人だったのね。どうやって陰陽道を勉強したの?」
「い、いえ、私は純粋な日本人でして…その…それは私がそう呼ばれたいと…」
リリィがモゴモゴと言い訳をしている間に、僕は涼海さんに、今までの話をかいつまんで話した。
「なるほど。それはまずいわね」
涼海さんはヒメウツギを見た。ヒメウツギも頷く。二人で何かのコンセンサスをとったようだ。この二人は過去からの事情に通じているため、何も言わなくても言いたいことが伝わる事がよくある。
「『犬』は白い九尾の狐が蘇るまで、雄二さまを殺さずに封じておきたい。リリィ殿の敵はある目的のためにリリィ殿の魂を利用した上で、九尾の狐さまの力を使える雄二さまの魂を同じように利用したいと考えています。『犬』側にとっても、それが利益となります。『犬』やその他の眷属たちは、雄二さまという最大の敵がいなくなった上、リリィ殿の敵が雄二さまを殺さずに表舞台に出ないようにしてくれます」
僕は頭にきた。
「みんな身勝手だよ!!」
「雄二くんが怒るのも無理がないけど、本当に悪い人間は昔から怪異であろうと何であろうと本懐を遂げるまで利用できるものは何でも利用するのよ」
「じゃあ、僕らはどうすればいいの?」
何とか怒りを鎮めて聞くと、ヒメウツギはこう答えた。
「こんな時のために連綿と危機対策を練ってきた者がおります。まずは、そこに連絡を取るのが良いのではないでしょうか」
「え?そんなところがあるの?」
ヒメウツギは頷くと、「ええ。日本に一つだけあります。明日、丹禅寺に連絡をとってください」と言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます