彼女はあきらめない

「あんたには私を好きになってもらうからね」




と言われた次の日から彼女の行動は今までとは違い、僕を惚れさせるための行動が多くあったと僕は思う。これは僕の前では何も通用しないことなんだが




「ねね相崎、今日のお弁当一緒に食べない?」




「いやだ、一人で食べるから友達と食べてきて」




「なんで?私は相崎を誘っているんだよ。っていうか私にまともな友達いないからね」




「でも僕は一人で食べる」




「そんなこと言っても私はついていくからね」




「勝手にしたら?」




「ありがとね」




僕は毎日お弁当を屋上で食べると決めている、なぜなら一人で気楽に食べられるからなんだが




今日は一人の厄介者がついてきている。




今日は気楽に食べられないなぁっと思っていると、




「ねえ、私がいるとそんなに嫌なの?」




ちょうどいい質問がやってきた




「そんなの当たり前だろう僕は毎日一人で気楽にお弁当を食べているんだから一人じゃなくなると周りも気にしないといけないということになるだろう。」




「え?何でまわりのことを気にするの?」




「なんでって、そりゃあ、、、」




「そりゃあ?」




「まあとにかく、僕は一人で食べることが好きなんだよ」



考えていると悲しくなってきたのでそう言った



「そうなのね、じゃあ邪魔しないように気を付けるわ。」




邪魔しないというかついてこないでほしかったんだけどなと思いながら屋上へと向かった。




屋上への重い扉を開けるといつもよりもちょっと強い風が吹いていた。




「ねえ!ほんとにこの強い風の中いつもお弁当を食べるの?」




「いつもこんな強い風とは限らないが、食べなきゃ食べ物が無駄になるだろう」




「そうだね」




そうしてお弁当のふたを開け




「「いただきます」」




「わあ、相崎のお弁当ってきれいだね」




「まあ僕が作っているからな」




「え!相崎が作っているんだ、料理上手なんだね」




「そんなこと言ってないでさっさと食べろ」




そうしてお弁当を食べ始めた。




そのあとからも、彼女からのアピール的なものは多かった。




だが僕はすべてスルー なんでって?そりゃあ面倒だからだよ




放課後になったら彼女は少し違う話題を話してきた。




「ねえ相崎 今日さ私配信するんだけど見てくれる?」




「暇だったらね、多分見ないと思うけど」




「暇だったらちゃんと見てよね」




「ああ分かったよ」




「本当に見てくれるの?この様子じゃ多分見ないような雰囲気が漂っているけど」




なんで見ないということがばれたかは知らないが、僕は顔に出やすいのか?




「ちゃんと見てね!約束だよ」




「ああハイハイみますよ」




「本当に見る?見なかったら強制でも私の彼女にしちゃうぞ。そして学校中に広めるけどいいのかな?」




「それは勘弁だ、ちゃんと見るからやめてくれ」




本当に嫌ということを久しぶりに声に出した。




「じゃあ、相崎がいるっていうこと示すようなコメントしてね。たとえば【私は陰キャの天才だ】とかね、誰も言わなそうなことを言ってくれたら分かるから」




「ああ分かったから早く家に帰らせてくれ」




「わかったわよ、じゃあまたね」




「はいはい」




そんな適当な返事をして家に帰ってきた僕はペンタブを使いイラストを描き始めた。

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