仕方ないよ

「初めての事だから、仕方ないよ!慣れるまでは、僕が片付けるから!前は、どんな風に暮らしてたの?」


さすがに、ゴミの中にいましたとは言えないよな……。


「前はね……」


俺が、答える前にホウは検索機で見せてくる。


「これだよね?ほら、ロボット掃除機って書いてる!こういうのが、居たんでしょ?」


ホウのキラキラした目にいなかったとは、俺は言えなかった。


あの家をロボット掃除機が走ると考えたら……。



ゾッとする。


多分……。


いや…………。


確実に………………。


発火してるよな。


「凄いなーー。こっちでは、こんなの買えないよ」


そう言って、ホウはニコニコと喜んでいるから……。


俺は、否定するのはやめた。


夢ぐらい持つのは、自由だから……。


「掃除機って見てみたいなーー」


そう言いながら、ホウは検索機を嬉しそうに撫でている。


「いつか、アーキーの住んでいる日本に行きたいなーー」


「いつか、連れて行ってあげるよ」


連れて行き方なんかわからないけど、俺はそう答えていた。


「本当に!いつか、約束だよ」


「うん」


ホウは、そう言って俺の手を包み込むように両手で握った。


「じゃあ、もうお風呂に入って寝よう」


「うん」


この部屋は、トイレと風呂だけはついている。


ワンルームマンションみたいな感じだ。


湯船に浸かりたかったら、共同の大浴場に行かないと行けないけれど……。


ホウは、絶対に行かないだろうな……。


「先に入ってよ」


「あっ、うん。いいの?」


「うん。僕、ほら綺麗好きだから……」


「わかった」


俺は、ホウの言葉に先にシャワーを浴びた。


俺が上がると小さな小人が現れた。


《シャカシャカ、ルンルン》


と歌いながらお風呂を洗っている。


「あのさ、さっきも思ったんだけど……」


俺は、ホウを見つめて言った。


「小人の事だよね?」


「あ、うん」


「スキルを、8つ覚えると貰えるんだ」


「へーー」


そう言って、ホウは小人を見つめる。


「何体とかあるのかな?」


「そうだな……。それは、稼ぎによるかな」


「お金払ってるの?」



俺は、驚いてホウを見つめていた。


「小人のご飯代がいるんだよ!そんなに高くはないんだけどね」


「ご飯代がいるんだな……」


魔法で呼び出してるわけじゃないのかと俺は小人を見つめながら思っていた。


「そうなんだよ!彼等は、小人族だから……。寄生しなくちゃ生きれない種族なんだよ!だから、僕達がご飯と寝床を用意してる」


「寝床まで、あんのか

?」


「あるよ」


そう言うとホウは、俺を呼んでくれる。


俺は、ホウに近づいていく。


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