そうですか…
「あのーー。この、レベルって?」
「あーー。これは、学校に通いだしたからついたものですね。ただ、99は困りましたね」
「きゅう、99!?マックスレベルですか?」
クリーン先生は、ハハハと笑って「まだ、1足りないから大丈夫です」と言った。
いや、大丈夫なのか?これ……?
「ただ、これは一週間では厳しいですね」
「あのーー。これは、スキルを習得したら減りますか?」
「そうですね。アーキー君が、例えばプロになれたら、このスキルがなくなる可能性もあります。頑張りましょう」
クリーン先生は、そう言って笑ってくれる。
何とかなるんじゃないのか?
皆、休憩から戻ってきた。
「じゃあ、アーキー君これは?」
「ぬいぐるみは、置いときます」
「そうです。では、これは?」
「置いときます」
「違います!これは、パンを食べたあとの袋です!いらないです」
「あっ、でも、何かに使えるかもしれないし……」
そう言うとクリーン先生は、怒った。
「何にも使えません!また、パンをいれるんですか?」
それ、いいかもな
「よくありません」
また、心の声を読まれるのを忘れていた。
クリーン先生は、真っ白な肌を真っ赤に染めて怒っていた。
「一度、休憩しましょう」
「はい」
クリーン先生は、真っ黒な縁取りの眼鏡をあげると他の生徒の所に戻っていった。
はあーー。仕分けるって言ってもなーー。
俺が入り口の方に目をやるとホウが立っていた。おいでと手招きされている。
俺は、ホウに近づいた。
「どうした?」
「休憩でしょ?」
「あーー、うん」
俺は、ホウと一緒に出た。
「スキルがないと大変だよねーー。僕も、スキルの彩りがないから苦戦中なんだよーー」
「彩りって何?白しかないじゃん」
「そうなんだけどねーー。昔は、色があったから。コーヒー飲む?」
「あっ、うん」
ホウは、真っ白な自販機のボタンを押した。
「はい、ブラックでよかった?」
「うん」
ブラックではない。真っ白な缶だ……。
これが、コーヒーがどうかは匂いをかがなきゃわからないし。
俺は、缶を開けて飲んだ。
「コーヒーだ」
「そうって言ったよね」
「何か変な感じ」
「それ僕もわかるんだ!白しかないから変だよねーー。色を戻して欲しいよ」
「頼めばいいんじゃないの?」
ホウは、俺の顔をジッーと見つめる。
「王様の決めた事を反対なんかしたら、あっちに送られちゃうよ」
そう言って、黒い空の方を指差してる。
「あっちに行くのか……」
「あっちはね、正義感強い人達の集まりだからね」
そう言いながら、ホウは見つめていた。
この白い街に負けないぐらいホウは色白だ。
白い肌のお陰かな?
目は、かなり大きく見える。
でも、鼻はちょんって感じだ。
「僕、もう行かなきゃ!頑張ってね!アーキー」
「ありがと、ホウ」
俺は、そう言ってホウに手を振った。
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