プロコース?!

「どうかしました?」


パーンは、不思議そうに俺を見つめる。


「どうかされるわ!パーン、俺のスキルわかってるよな」


「はい。汚部屋です」


パーンは、それが何か?と言いたい顔をしながら話した。


「いやいや、汚部屋スキルしかないんだよ!産まれた時から一つのスキルしかないんだよ!そんなやつが、100個だぞ……」


「やってみなくちゃわからないですよ」


パーンは、満面の笑みでそう言った。


「やらなくてもわかるだろ」


「やらなくちゃわかりません」


思ったより、パーンはポジティブだった。


「100個、習得するまでに俺は死んでるよ」


「大丈夫ですよ。スキルが増えれば死にませんから」


パーンのキラキラした笑顔に何とかなりそうな気がしてきた。


「やってみるよ!プロ目指すよ」


「そうですよ」


パーンと話、終わった時だった。


ガチャリと校長先生の部屋が開いて、誰かが出てきた。


「初めまして、今から案内するミズーです」


「えっと……」


声は、聞こえるけど……。姿が見えなかった。


「液体とか?」


「ラヴィール」小さな声がした瞬間だった。ボンッ……。


「あっ、どうもーー」


リスだ。173センチのリスは、化け物だ。もはや、怖い。


「あのーー。私は、リスではありません。ミズーです」


あーー、また心を読まれていた。俺が知ってるリスの見た目だけれど、手は俺と同じだ。


「よろしくお願いします」


俺は、頭を下げる。


ミズーは、ニッコリ微笑んだ。


「こちらこそ!説明は、歩きながらさせてもらいます」


そう言ってミズーは、歩き出した。俺とパーンは、後ろからついていく。


「君の名前は、秋月ですね?」


「はい」


「ちょっと言いにくいですよねーー」


そう言うとミズーは、俺に「アーキーか、ヅッキー、どちらがいいですか?」


そう聞いてきた。


どちらも何だかなーー。センスがなーー。と思っているとパーンが代わりに……。


「ヅッキーで」


と言っていた。


「いやいや、そっちはないよ」


「じゃあ、アーキーにしましょう」


そう言って、ミズーは笑った。


白い部屋が続いていく。


「特待生について、説明しましょう」


そう言って、ミズーは前を見ながら話した。


「はい」


「特待生は、学費、入学費合わせて、60万きらりを払わないでいいんです。それと、寮も完備されています」


そう言うと、ミズーは壁についているボタンを押した。


ガチャン……。


という音がして通路が現れる。


「壁じゃないんだ」


俺の言葉に、ミズーは笑いながら「こちらから、寮に行けます」と言った。


「では、行きましょう」


「はい」


俺とパーンは、後ろからついていく。


目の前を広がる景色も白……。


窓から見える景色も白……。


何だか嫌な世界だな……。


色がないって怖いんだな……。

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