連れてこられた部屋

「お久しぶりです。キレート校長」


「あー、久しぶりだな」


そう言って、キレート校長と呼ばれた人物は、笑っている。


「今日は、何の用だ?外来生物を捕まえてきたのかね?」


そう言って、キレート校長は俺をマジマジと見つめてくる。


「あっ!彼は、外来生物ではありません。ここから、20億光年離れた地球という惑星の日本って場所から来たんです」


パーンの言葉に、校長先生は何故か笑い出した。


「あー、異世界の住人か!懐かしいなーー。前にも来た事があるんだよ。君みたいに何かこう……」


そう言いながら、俺を指でさして、その指を上から下までおろしていく。


「汚くなかったですか?」


パーンがそう言うと校長先生は、「そんな言い方はしていないよ」と笑った。


いや、していた。


「していないよ」


校長先生の言葉に、心の声を読まれる事を忘れていた。


「そうですよねで……ハハハ」


俺は、苦笑いを浮かべながら校長先生を見ていた。


「で、今日は何の用かな?パーン」


「実は、彼にスキルを習得させてあげて欲しいんです」


「スキルか……。君のスキルを見せてくれるか?」


俺は、その言葉におでこをトントンと叩いた。


「ほうほう。スキルが、これだけか……」


そう言いながら、校長先生は顎髭を触っている。


「どうでしょうか?」


「いやーー。とても、面白い」


「で、学費何ですが……」


パーンの言葉に校長先生は、「特待生にしようと思ってる」と告げた。


「わかりました。ありがとうございます」


そう言ってパーンが頭を下げるから、俺も頭を下げた。


「少しだけ、準備んするから外で待っててくれ」


「わかりました」


俺とパーンは、頭を下げて部屋を出た。


「よかったね」


「ありがとう、パーン」


「まさか、特待生に選ばれるなんて!本当に、良かったよ」


「学費がかからないから?」


俺は、パーンにそう言うとパーンは、「それもあるけど……。それだけじゃないよ」と言った。


「どんな事があるんだ?」


「特待生は、ここの入学費と授業料がいりません。授業料が一般コースで、20万キラリ。プロコースで60万キラリです」


「一般とプロって何が違うの?」


「一般は、掃除スキルの習得が10個までになります。産まれた時に持っていた掃除スキルもありますから……。普段生活をする分には、充分です」


パーンは、そう言いながら眼鏡をあげる。


「プロコースは、一般と違って、習得する掃除スキルが100個以上になります」


「ひ、100個?!」


「はい。こちらは、最終的に仕事などにする人向けですね」


そう言って、パーンはコホンと咳払いをひとつしてから俺を見つめた。


「特待生は、プロコースにしかありません」


「えっ?」


俺は、間抜けな声を出してパーンを見つめていた。

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