俺のスキル

「あっ、ありました」


そう言うとパーンは、検索機で調べた言葉を話し出した。


「汚部屋とは、

俗に、汚ならしい部屋、ごみを放置していて不潔だったり、生活に支障が出るほど物が散らかっていたりする部屋。だそうです」


「だそうですじゃないから!そんなん知ってんだよ」


俺は、パーンにそう言った。


「えっと……。じゃあ、何を?」


そう言いながら、パーンは首を傾げている。


「いやいや、何ってわかるだろ?このスキルで何が出来るかだよ」


「あー、そっちでしたか!間違って、言葉の意味を調べちゃいました」


そう言って、パーンは笑いながら検索機で検索を始めた。


「あ、ありました」


「教えてくれ」


「はい」


パーンは、俺の言葉にコホンと咳払いをして話す。


「スキル、汚部屋とは……。その名前の通り部屋を汚す事である。以上……」


「えっ?終わり?」


「終わりです」


そう言うと、パーンは検索機をポケットにしまっている。


「いやいや、ちょっと待てよ」


「何でしょうか?」


「片付けなきゃ死ぬんだよな?」


「はい」


「で、俺のスキルは散らかす事なんだよな」


「はい」


「それって、死亡フラグ確定って意味だよな?」


「死亡フラグですか?」


そう言いながら、パーンは検索機を取り出した。


「いやいや、それ調べなくていいって」


「そうなんですか?」


「そうだよ。死ぬのが決まってるよなって言ってんだよ」


俺の言葉にパーンは、腕を組んだ。


「まーー、そうですね。そうなりますねーー」


「いや、そうなりますねーーじゃないんだよ」


「何ででしょうか?」


「いや、こんな知らない世界に来て死にたくないんだわ!わかる?」


パーンは、うんうんと頷いている。


「あーー、そっちですか、そうですよね」


同級生だったら、絶対蹴飛ばしてるな。


「そう言うの考えない方がいいですよ」


俺は、パーンに注意される。


「心が読めるの忘れてた」


「スキルが10個以上ある方は、皆さん読めますので!気を付けた方がいいですね」


「悪かった」


「いやーー。素直ですね」


「どうせ、死ぬからな!」


俺は、あからさまにガッカリとした態度をとった。


「じゃあ、色々ありがとな」


「待って下さい」


パーンは、そう言っていなくなろうとした俺の腕を掴んだ。


「どうにかしてくれんのか?」


「そんなキラキラした目を向けないで下さいよ。どうにかするのは、あなたがするんですよ」


「じゃあ、もう死ねって事だよなーー。そうだよなーー。不審者だしなーー」


俺は、そう言いながら明らかに落ち込んでいた。


「そんな事言ってないですよ!掃除学校に入学して、スキルを習得しましょう」


その言葉に俺は、パーンをキラキラした目で見つめた。



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