第17話 攻略対象の豹変(医務室の先生)
攻略対象で転入生の天然サムエル君まで様子が180度変わってしまった!
これはもう確定で強制力が働いているに違いなかった!!
「これ以上の検証は必要ないかもしれないわね…」
後は王子と先生だけど…。デイモン先生に近寄るのは危険すぎるしウォーレン王子に近づくとクリスティーン公爵令嬢に気付かれて王子の態度が急に変わったら絶対に修羅場になる!
ともかく攻略対象達に会う前にクリスティーン様と二人で話をする機会を作らなくちゃいけないわ。
思い立ったら行動で私は手紙を書いて内密にクリスティーン様に渡そうと次の授業をさぼり彼女のクラスが弓の授業を受けている隙に教室へ忍び込んだ。
しかしある事に気付く。
「つ、机がわからないいいいい!!」
流石にゲームでも彼女の席が何処かなんて出てこなかった。不味い!サボった上に机がわからないという凡ミス!!
「困ったわね…」
「何が困ったんだい!?君…」
後ろからもぞっとお尻を触られビクっとする!!
反射的に振り返りそいつをぶっ叩いた!!
「いてえっ!!」
とそいつは飛びのいた。
よく見ると…それは
目元に色気ボクロが有り、白髪長髪を一纏めにしている銀の瞳のイケメン…デイモン・ジョザイア・クレイ先生ではないか!!
ぎゃっ!会ってしまった!!
しかもいきなり尻を触ってくるとは!痴漢かよ!!
「ごめんね驚かせた?一体どうしたんだい?今は授業中だよ?クラスを間違えたのかな?見ない子だね?こんな可愛い子がいたなんて気付かなかったよ。私もまだまだだなぁ…」
と言い自然に近寄り何故か肩を組まれた。
そのままさわさわとスキンシップしてくる奴の息子をを蹴り飛ばしてやりたいがおぞましい気持ちになり突き飛ばすと驚いたような顔になる。
そしてペロリと舌を出して
「おやおやいけない子だね?君名前は?ちょっと保健室に来なさい!」
と言われる。
はぁ!?誰が行くか!押し倒されて終わりだ!完全にロックオンされてる!!目付きがいやらしい!!
「先生ごめんなさい。トイレと間違えまして!失礼します!」
とその場を擦り抜けようとしたらガシっと腕を掴まれる!
「待ってくれ!トイレなら私が案内しよう!」
「いえ結構です!!」
トイレに案内とかいらないいらない!頭おかしいのかな?
「大丈夫だよ…きっとお腹が痛いんだろう?その後保健室で薬を出してあげるから一緒に行こう!」
と赤くなる先生。
な、…まさかの保健室連れ込み計画を一瞬でこいつは作ったと言うの!?
侮れない!!
「お腹は痛くありませんのでご心配なく。先生も仕事に戻っていいですよ。私はトイレに来ただけですので」
あくまで特にお腹は痛くないから薬は要らないと主張すると先生は
「しっ!誰か来た!!」
と言い私を教室の教卓の下へ連れて行き隠れる形になる!!密着されはぁはぁ息遣いが聞こえた!ひいいいいい!!
口を先生の手で塞がれて声を出せなかった。
しかも
「おや?私の勘違いだったかな?すまない…」
と至近距離で銀の瞳で色っぽく見つめられ先生は甘いムードの戦闘態勢に入っている!
くっ!このままではここでやられる!!
私は大声を上げた!
「きゃあああああああああああああー!誰かーーーーーーー!!!」
と叫んだので先生に再び口を手で塞がれた!!
「こら!大声を上げるんじゃないよ!!」
この変態があああ!
「どうしたのかな?怯えているのかい?大丈夫かい?気分が悪いなら先生が診てあげよう。大丈夫だよ?怖くない怖くない。本来なら保健室で診てあげたいけど緊急事態だからね。ここでいいだろう。さあ、胸のボタンを外しなさい」
と手が伸びてくるのでそっちのが恐怖で空いている手で胸をガードするとガードした手をさわさわされる。
ぎええええ!
いくら攻略対象でも変わりすぎ!!いや、ただの美少女好きなのかも!?
「デイモン先生!生徒に手を出すなんて最低です!私をそこらの女の子と同じに考えないでください!!」
と抗議すると先生は驚き手を離した。
「君…そんな事を?そうか…私の事を…独り占めしたいと…言うんだね??ありがとう…。君みたいな可愛い子に嫉妬されるなんて私は幸せ者だな!ふふっ!」
とウインクされるのが全くこいつには伝わって無いのが虚しくなる。
ともかくここを離れようとした時、ガラリと教室の扉が開きなんとヘクター君が現れた!!
肩で息をしている。
何でここに!?
「ミキャエラ様っ!!先程悲鳴が聞こえたので!」
「どうしてここに!?」
「トイレに行って戻る途中でした」
と素直に言うが助かった!!
「か、彼女が気分が悪いと言うので介抱してあげようとしたんだ。保健室に連れて行こうとしたんだが……」
とデイモン先生は誤魔化した。
「違うわ!デイモン先生に教卓の下に連れ込まれいやらしい事をされる寸前だったわ!最低よこいつ!」
するとヘクター君がゴミのように先生を見て…
「彼女は僕の婚約者ですよ?この件は学園長に報告させてもらいますので」
とヘクター君が言うとデイモン先生は青ざめた。
「ち、違う!ほ、本当に解放しようとしただけだ!やらしい事などしてない!」
「いや、最初にお尻を触られたし!」
と言うとヘクター君の顔に青筋がたった。
「デイモン先生は保健室で女生徒といやらしい事をしてるって噂本当だったんですね?報告させてもらいます」
容赦ないヘクター君。
「噂だろう?そ、そんなこと私がするわけないだろう!!??はは!」
焦るデイモン先生。
「どちらにしろ。僕の婚約者の顔を見ればわかります!嘘をついてるのは先生です!報告させてもらいます!行きましょうミキャエラ様!」
「ひいっ!待ってくれ!!報告はしないでくれ!そうだ!!」
ゴソゴソと先生はポケットを探りなんとお金を出してきた!!
「これで何とか…」
バシンとヘクター君がその手を払い
「生徒を買収ですか?どこまでも汚い!」
とヘクター君は私の手を握り教室から出た。
「まっ、待ってくれええええ!違うんだあああああー!」
という悲鳴にも似た泣き声がした。
教室から遠く離れたところでヘクター君は息を吐いて
「ミキャエラ様…大丈夫ですか?何故あの教室に?」
「手紙を届けようとしたのよ。クリスティーン様の机に入れようと思って…。でも机がわからなくて困ってたら先生に見つかりお尻を触られて…」
「あの野郎!!」
とヘクター君が怒った。
「大丈夫、お尻は制服の上からだから!」
「そういう問題じゃないですよ!!僕のミキャエラ様が嫌な思いをしたんだすよ!!」
とヘクター君が言い私は照れた。今、僕のって言われたわ!
ヘクター君もはっとして
「とにかく気を付けてくださいよ!まだミキャエラ様は痩せてて綺麗で可愛いんですからね!痩せてなくても僕には可愛いと思いますが周りに魅了みたいなものが働いているんですからね!?」
と厳重注意され私も反省した。もしかして一人になると攻略対象に強制的な力で引き寄せられるのかもしれない。
「…わかったわ。なるべく一人にならないようにするわ。ごめんねヘクター君心配かけて…」
と言うとヘクター君は私の頭にチュッとキスをした!!?
驚いていると
「僕はミキャエラ様に相応しくないかもしれませんけど…僕なりに心配してます!!も、もう他の男の人に近寄らないでください!」
「いや近寄ってこられるんだけど」
「そ…そうでしたね…ごめんなさい」
なんかもうどうでも良くなりヘクター君に抱きついた。
「わっ!?」
と驚いて真っ赤になったヘクター君に
「私…太るわ。そうしたら狙われないからね!」
「そうですね。その方が少しは僕も安心かなぁ」
と笑われた。
*
その後デイモン先生のことを学園長に密告すると調査の後、先生は学園をクビになり退職させられた。これでデイモン先生の脅威は去った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます