第39話

説明の後、リリィやアイリスが連れてきた王国の医師とともに健康診断を受けることになった。

その結果アイリスの月のモノは5日後に始まり12日後には妊娠しやすい時期に突入することが分かった。

明日も朝から仕事があるというアイリスは淫魔族の妊娠率上昇薬を手に月のものが終わったらまた来る、と約束して王城へ戻っていった。

(チャンスは毎月10日間か、淫魔族の薬や淫紋に頼るとはいえ簡単にはできないだろうし……遅くとも5年以内には一人生まれて欲しいよなあ)

子どもというのは欲しいと思えば出来るものでもない。子供が欲しいのに出来ないと苦労している人は王国にも魔王領にもいる。

「魔王殿下もちょっと月のものの周期検査を受けていただきたいのですが」

「私も?」

「この淫紋術の場合孕ませる側の月のものの周期も関係があるかもしれませんから」

未確定なのに検査するのか……。

まあいいか、協力ぐらいしてやろう。


****


12日後の朝、アイリスは太ももと胸元に大きめのスリットの入った白いドレスで私のもとに現れた。

しかも体にぴったりと張り付いたドレスは体の線をはっきり強調しており、下品にも取られそうなのに純白と彼女自身の気品により色気の暴力の様相を呈していた。

ごくっ、と思わず生唾を飲み込む。

三日ほど前に体に書き込まれた淫紋の効果で全身が火傷しそうなほどに熱い。

「久しぶりね、ノア」

そう言って抱きしめようとしたアイリスのドレスのスリットから、たわわなおっぱいが目に飛び込んできた。

プツッと血管が切れると同時に生暖かいものが口元に垂れてきた。

「あら、鼻血出てるわよ」

「……ごめん、淫紋の効果でちょっと興奮しやすくなってて」

補佐官からちり紙を貰って鼻を塞ぐ。

淫紋の効果がすごすぎる。これ毎月やってたら鼻血で死ぬんじゃないか?と心配になるレベルだ。

「じゃあ早く行きましょうか」

アイリスが耳元でささやくので、右手でアイリスを横に抱きかかえると大声で宣言する。




「これからアイリス魔王妃殿下の帰宅まで何人たりとも私の寝室に立ち入ることなかれ!!!!!!!いいな!!!!!!!」


そこからの10日間?まあ激烈に熱くて激しい夜でした、とだけ。

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