第7話 普通の授業なのにおかしい

「死んだ...」


1日の授業が終わったのだが、疲れて何もできそうもない。


これから部活動なんかやってるようなやつは、凄いバイタリティだな。


通常の実習や授業が大変すぎて、俺は部活に入ろうという気にならない。


「津村は部活なに入ってる?」


前の座席の是親が俺に聞いてくる。


「いや、まだ何も入ってない。堤は?」


1年生の授業がはじまって2週間くらいだが、実習と授業が大変すぎて部活の方は決めかねていた。


中学時代はどこかの部活に入らないといけない謎の規則があったので、一応野球部には入っていたが、真面目に練習したような記憶はまったくない。


「俺はイラ研、イラスト・漫画研究同好会に入った。部じゃなくて同好会で活動自体は週1くらいしかやってない」


「運動部のやつらとか、実習もあって授業もこれだけ多いのに、よく体力持つよな」


是親も俺の意見に同意なのか、深く頷いている。


「俺の地元の普通高校に行ったやつに聞いたんだが、うちの学校の授業は普通の高校と内容は同じだけど、進度が早くて量も詰め込まれてるみたいなんだ」


「そういや合格した時の学校の説明で、学年上がると普通高校にないような専門的な授業や実習が増えていくって言ってたな」


「俺ら1年生や2年生は実習に加えて普通の授業もみっちり詰め込まれてるからこんなに大変なのか」


是親はちょっと不満そうにしている。


「部活に入るかどうかは、ちょっと様子見てからの方がいいかな。ちゃんと学校生活に余裕ができてから考えるか」


「なんか若さがないなあ。そんなこと言ってると、輝かしい青春の日々を逃しちゃうと思うぞ」


慎重派の俺の意見に是親は同意しかねるようだ。


「前回の実習でゲロ吐いて起き上がれなかったのがトラウマなんだよ。しばらくは実習用の体力作りで自主練するわ」


「お前、真面目ちゃんなんだな。なんか、このまま灰色の学校生活を送りそうな予感がする。余裕ができたら是非部活に入ることをお勧めするよ」


「わかった。ありがとう」


「アニメや漫画がなんかが好きなら是非、イラ研に来てくれ」


今日は活動がある日なのか、教室を出ていく是親を見送った。


「さて、俺も自主練するか」


このまま授業や実習に追われて、何も楽しいことがないまま卒業とか嫌だな。と思いながら俺も教室を出たのだった。


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