第4話 実習がおかしい(座学編)その2
すいません、実習の話と言いながら女の子の話になってました。
改めまして、実習の話を。
入学直後の実習で最初にやったことは班分けと地下ダンジョンに関する座学だった。
ダンジョンって言ってるのは学生だけだが。
そういや、どっかに当時のノートがあったはずだけど...
あった。これだ。
入学当初だったし、昔は実習前にもまじめにノートとったりしてたな。
ええと、地下大空洞と呼ばれる地下の大穴は昔から日本全国に沢山あります。だそうです。
だいたい各県に1個くらいはあるそうだ。
で、その大穴から有害生物なんかが出てくることもあるので地元民で対処していたけど、限界があるのでどうにかして欲しい、と地方が日本政府に泣きついたのが1950年代。
その後、国が大穴周辺に施設を建てて内部を調査。なんか有益な資源が出てきたので、全国の大穴を一括管理することを決定。
ここからが最大のツッコミ所なんだが、大穴から出る資源なんかを秘匿するために、大穴周辺に建てた施設を学校ということにして、大穴の開発に伴う作業を外部から完全に見られないようにしたらしい。
学校教育法の一部改正までして。
まぁ、当時大穴の工事で働いてたのは仕事にあぶれた若い世代、今の高校生くらいの年代の人たちが多数いた、というのも学校発足の理由の一つらしい。
で、学校の設立がだいたい1960年代のはじめの頃ということだ。
ただ、大穴は全国にあるんで、学校も全国に沢山設立したらしい。
今では想像もできないが、当時は好景気の真っ盛り。最初の10校程度から数年で全国にこの特殊な学校が広がったそうだ。
という訳で、うちの学校は田舎のなんの取り柄もない学校に見えるが、全体を見ると全国各地に支店(ほとんど田舎が大半だが)を持つ一大フランチャイズ学校ということになる。
で、昔から実習という形で地下の大穴の開発や資源回収をやってます。ということらしい。
ただ、現在もこの作業は公には秘密。トップシークレットという事になってるので、外部に暴露したら逮捕されます、と脅されました。
この実習の秘密保持に関しては、事ある毎に、それはもううんざりする程聞かされている。
SNSで簡単にバイトテロとか飲食テロとかが起こっている昨今、ダンジョン実習を秘密にしておくのは無理があると思う。
多分、俺が暴露しなくても、遅かれ早かれ誰かが暴露してると思う。
俺は特定されないように、こうやってこっそり公開しているが、絶対どこかで大々的にバレると思うぞ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます