第5話大人は……

ある日の晩、親戚から電話があった。

「○○君、今日は県庁に出張だったんだ。慎ちゃんもいるから、彼女を連れて飲みに来なさい」

と。

彼女を親戚との飲み会に誘ったが断られ、僕1人で指定の居酒屋へ向かった。

叔父さんは60歳で、慎ちゃんは40歳である。僕は20歳で、だいぶ酒には慣れていた。結構な量を飲める様になっていた。

駆けつけ三杯と言われ、ビールをジョッキ3杯飲んだ。

それから、日本酒を3人で1升飲んだ。

たいぶ、酔っ払った。しかし、叔父さんは居酒屋を梯子すると言い、3人で3軒梯子して、ラーメンでしめた。

大人って、こんなに酒を飲むものなのか?しかも、叔父さんやちゃんは悪酔いしていない。

僕は心から、2人がカッコいいと思った。

僕は、慎ちゃんから1000円渡されてタクシーで帰宅した。

未だに、良い思い出である。24年前。

僕は、カッコいい大人になっているだろうか?

今日は居酒屋で、赤星を3本飲み帰宅したが、こういう1人飲みが出来るようになるまでには、相当飲まねばならない。

瓶ビールと猫背。

あの時の事を常に念頭に入れて、いくら飲んでも楽しく飲む!と言う精神を忘れてはいない。

まだ、二十歳。これから、様々な事を学んでいく年齢だ。



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