story 29 闇
時は数刻前のこと。
帝国地下にてダンジョン攻略中の中鳥は暗闇へと飛ばされていた。
見渡す全てが闇、闇、闇。
さらにどす黒い血の匂いと強烈な腐臭が漂っている。
そのインパクトにより中鳥は吐き気を催した。
その場から逃げ出そうと体を動かすも、鎖がジャリジャリと音を鳴らすばかりで、身動きが取れない。
どうやら自分はなにかに鎖で拘束されているらしい。
「ここはどこだ!俺を解放しろ!」
「クックック。解放か。無駄だ。ここはダンジョンの魔物に殺され、死んで行った人間の怨念の集う場所。彼らは生きた人間を嫌う。殺したい程にな。」
「なっ!殺したいって?」
「フハハハハ、面白くない反応だな。どれ、ひとつ仕掛けをつけてやろう。」
ピシッ!
「?!!?ッ!」
中鳥は突如声すらあげることが出来ない痛みに襲われ、左手を喪った。
ボトッ
そんな微かに重い音を立てて落ちたソレを見て、叫び声をあげた。
「Mmmmmmm!!!!面白くなってきたなぁ!ほら、そう目を閉じてばっかいないで周りを見てみろ!ゾロゾロと武器を持った生ける屍達が集まってきたぞ!Mmmmmmm!」
「ひ、や、やめろ…やめてくれ!俺はまだ死にたくない!殺されてたまるか!!!!」
「Mmmmmmm!Mmmmmmm!」
「タ、鎢の巨壁!…な、発動しない?なんでだよ!鎢の巨壁!鎢の巨壁!鎢の巨壁!なんで
「Ommmmm!面白いことを言うなぁそこの非力なガキ。理不尽?お前も理不尽ぐらい散々やってきただろう?都合主義で動いて人を棄てて。Mmmmmmm!Ommmmm!全く面白いことを行うなぁ」
「うわああああああああ!!!!死にたくない!死にたくない!…、タ、鎢の巨壁!」
「いつまでもそうやってわめくばかりか。つまらん。ヤレ、腐肉共。」
直後、謎の男によって指示された生ける
「ギャアアアアア!!!!」
「Mmmmmmm!面白いなぁ全く!そこのガキ。…お?あっさり死んだな。」
「なんで…こんな事、するんだ!そしてここはどこだ!お前は誰だ!」
「そう捲したてるな、時間は有限だが無限と感じられるほどあるんだぞ?どれ、1つづつゆっくり教えてやろうか。まぁ、その間にもお前は腐肉共に弄ばれるんだがなぁ」
「や、めろ!はや、く、こたえ、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!」
「喧しいなぁ、人の話を聞く時は黙って聞けよ。それで、一つ目の質問の答えだが、ここはお前が元居た世界とは違う、俗にいうナンタラ億年ボタンによって生成される異界だ。」
「…」
「お前はここで永遠とも感じる時を俺と共に過ごしながら苦痛を味わい続けるのだ。その痛みはお前の罪に比例する。其れは決して逃れること無く繰り返される苦痛。決してなれる事ない恐怖と痛みのレクイエムだ。」
中鳥は絶望と困惑から気絶するが、直後右足に訪れる激痛に目を覚ます。
どうやら脚をもぎ取られたようで、まるでティータイムに眺める噴水にも見える血飛沫が再び中鳥の意識を闇に落とす。しかし痛みが直後に引きずり出して、その痛みにまた闇に落ちる。
「時はまだ半刻すら経っていない。
貴様の苦しみは決して想像することができないが、これが数億年も続くとするとこちらも少し胸が痛む。そうだな、貴様にはいいものをやろう。2つだ。」
「なんあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
疑問を呈した中鳥は、直後に骸骨兵の顎により舌を噛みちぎられ、悲鳴を上げる
「黙って聞け。てめぇが喋るとこいつらがうるせぇんだよ。死ね」
理不尽にも怒りを買った中鳥は〈謎の男〉の力により全身を微塵切りにされ、括り付けていた十字架ごと、粉々になる。
数秒後、中鳥は復活し、今度は✕の形のオブジェに拘束される
「それでいい。では、貴様に与えるものだが・・・ひとつは死者との親和性を上げる力だな。これは貴様が死者に殺される度に上がり、その強さは痛みの強さに比例する。
そしてこれは常時発動であり、貴様にかけた感情固定の禁術により怒り続けるお前は、さらに強い痛みを受け続ける。まぁ、簡単に言えば 痛みは怒りに比例して大きくなる。しかしお前は俺の禁術で怒りという感情を固定され、怒りは増していき、同時に痛みも増していくのだ。どうだ?面白いだろ?
そして2つ目。貴様に与える2つ目は視覚だ。」
「し、視覚?ぬあ”あ”あ”あ”!!!・・・俺には既にあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!視覚はあるぞ!」
「ほぉう?気の強いこったなぁ。ま、どうでもいいか。俺はこれからお前の視界を奪い、新たな視覚を与える」
そう言い、〈謎の男〉は左手を中鳥の顔面へと持っていき〈 erstatte…〉と呟く。
直後その左手から黒くネバネバとした何かが湧き出て、徐々に中鳥の頭ごと包んだ。
どうやら息ができないようで、「コヒュー、コヒュー」とかすかに空気を求める呻き声が聞こえる
「あぁ、言い忘れてた。チクッとしマース」
刹那、中鳥の目に激痛が走り意識が遠のく。
(なん、、、だ?)
†
数刻後、中鳥は目を覚まし辺りを見回す。
が、何かおかしい。目がよく見えず、黒く淀んだ世界だけが見える。
「なんだよ、、、これ。」
「おぉ、やっと目を覚ましたか」
「おい、、何をしたんだ?前が見えないんだが?」
「ほーん?思ったより冷静だな。いいだろう教えてやるよ。簡単だ。てめぇの眼球をくり抜いて魔眼を嵌め込んだ。それだけだ。」
「は?くり抜いた?まがん?何言ってんだてめぇ」
「これもてめぇの罪を自覚させるための罰だ。思い出してみろ、俺は知ってるぞ。てめぇが感情をぶつけ合い、時に慰め合い、時に笑いあった仲の友をある日突然無視し、人の心の欠けらも無い言葉を女々しく遠回しに使い、気分次第で付き合う友人を取り替え、酷く当たった相手に謝りもせずその厚顔無恥を晒し、見下し、蔑み、自己中に生きている事を!!」
「は、はぁ?そんなの知るかよ。あいつなんてそもそも昔から大嫌いだったんだよ!ゲームに誘っても下手だし、すぐに逃げるし、慰めあっただ?そんなもんあいつが勝手に俺のこと知った気になってるだけだろ?死にたい死にたい自殺したいってさっさと死んでしまえよ!はっきりいって邪魔なんだよ!」
「、、、チッお前、ホンットにゴミだな。生きる価値ねぇわほんと。そういう所が自己中だっつってんだろうが。そもそもそいつにだけじゃねえからな?クソ目障りな野郎だな。悪感情を持っているから捨て駒としてなら使えると思ったがお前はそれ以下だ。ゴミカスにも満たねぇ。特別だ。お前がこの空間で懺悔する時間を65億年に伸ばしてやろう。お前の生まれた太陽系が生まれた日から今までに至る時間を過ごし、無限にも思える痛みを知り、そして懺悔しろ。お前の罪と向き合え。まずは1億年間八つ裂きの刑だ。やれ!!」
「なんでだ!!!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」
直後、✕型の拘束台は倒され、両手両足首には頑丈な縄が括り付けられた
「な、何をするだァーッ」
「うるせぇな言ったろ?八つ裂きの刑だよ。おっと、ひとつ忘れていた。お前の身に生存魔法をかけておいたからな。四肢がもがれてもすぐには死ねないぞ。」
「な、やめろ、やめてくれ、死にたく、、、ないぃぃぃぃ!!!!アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
ブチッ ブシャッ ゴリッ ボトッ ポタポタ、、、
辺りには中鳥の叫び声、そして肉がちぎれる音と飛び散る液体の音が響き渡った。
そしてヨダレをすする音。
「あぁ、いい!これは最高の悲鳴!」
「ありがとうございます!シャルル=バティスト様!」
「フッハハハハハハハハ!!!!!!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!いだあああああぃぃぃいいい!!!!!!」
「あぁ勃起してきました。やはり恐怖に満ちた叫び声というのは素晴らしいものですね。1億年間の八つ裂きの刑を終えたあとはたっぷり可愛がって差し上げましょう。」
中鳥の四肢のうち、右足を引きちぎった悪魔であるサタン=リッパーはそう言い、一見して紳士の最たる存在のような綺麗な服装をかき消す様な狂った目つきを向けながら、おもむろに自身のスボンのジッパーをおろした。そこには下着などなく、太鼓のバチを思わせる太さに綺麗に剥け切った極太チンポを取り出し、見た目とは裏腹に毛が剃られたパイパンの根元を見せ、中鳥の股の間に影を下ろした。
「い、嫌だぁぁぁぁぁぁぁあぉぉぉあ!」
逃げようとするが、四肢を失った身では何も出来ず、ただ追撃のように激痛が走るばかり。
「あらぁ逃げようたって無駄よ?私も楽しみだわぁ早く2億年過ぎないかしら。リッパーの開発のあとは私が沢山子宮で可愛がってあげるわ。もう今から楽しみでたまらない」
サタン=メイデンはそう言って、右手に鋭利な刃を生み出し、中鳥の性器を切り取り、握りしめた。
「そして俺は、、、って死んだか。まぁ生き返ったら自己紹介の続きと行こうか。たっぷり時間はあるのだからな。」
中鳥は薄れゆく意識と絶え間なく自身を襲う激痛の戦争の中、ひとつの声を聞いた。
「ジジジ--スキル【死者の声を知りし物】ジジジ-パッシブスキル 【代償】が発動。殺される度、激痛への耐性ジジジ、、、」
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