story 25 ダンジョン攻略 story番外編 楓華の自覚と悩み

宴が終わり、翌日目を覚ました伍現は朝食の際に帝王から提案された内容に少し戸惑うのであった。


遊田「?ダン…ジョン攻略?」

中鳥「マジかよ。The、異世界って感じだな。」


そう、突然誘われたのだ。

しかし伍現の指揮官であり伍現の一番の発言者でもある燈威は思考を廻らす

(ダンジョン?そうだな、ダンジョンに潜るのであれば少しづつ高いLvの的と戦うことで経験を積める。よし、これは賛成の手しかないな)

燈威「賛成!我等伍現はダンジョン攻略の参加する!」


ダンジョン攻略決定から1時間後。

場所は燈威の自室に移る。


そこで燈威は伍現を集結させ作戦を練っていた。ダンジョンを攻略する上で課題は多くあるのだ。

並べると、

・ダンジョンの壁はこわせない(対錬金素材)

・常にモンスターが徘徊している

・宝箱に化けるモンスターがいる

・多数のトラップがある

等など。


しかしそのダンジョンというものだか、どうやら下に降りれば降りるほど環境も変わるというのだ。

1階層から20階層は1階層毎にレベルが上がりLv1からLv20までのモンスターが現れる。

そこまでは延々と続く、薄暗く長い廊下や別れ道、隠し部屋やトラップ部屋などがある。

さらに1階層毎にボスがおりそれを倒さなくては階層を降りられない。

さらにさらに20階層毎にラスボスがおりそのボスを倒さなくてはその下の異なる環境の階層へ行けない。

そんな細かい問題がある上まだ少し問題が続く。

21から40階層までは果てしなく続く高原。

その下41から60階層は大量の溶岩流がある地底洞窟。

そのあとも20階層毎に海中、燃え盛る滅びた都市、あらゆる法則が逆転した地上と似た世界等など、奇っ怪なダンジョンなのである。


これを攻略するためには寝泊まりするためのものや食事、回復アイテムなどだけではまず精神が持たない。

そこを考慮する必要があるのだ。

何よりダンジョンの外に出るための帰還アイテムが必要である他、バフをもたらすアイテム、替えの服等必要なものが多すぎる。

だがこちらには空間魔法があり、既に豪汰を除く伍現全員がアイテムボックス(容量∞)を取得しているため荷物持ちに困ることは無い。

しかもそれらは伍現の中で共有されるため離れ離れになっても最悪困らない。


しかし燈威が危惧していたのは他にあったのだ。それは時間である。

自分たちのレベルを上げるためには敵と戦いステータスを向上させるしかない。

しかし今回向かうダンジョンについて話を聞いたところ1階層を攻略するために必要な時間は平均3日間。

自分たちは伍現としてこの世界に召喚され、あらゆるユニークスキルを授かり全員が1回に手に入れられる経験値が3倍になるチート加護も着いている。しかし時間が無いのだ。

今手元にあるスキルやら加護やらを利用すれば一日で2階層を攻略することは確かに可能であろう。

しかし時間が無い。

現在目指しているレベルが、MAX1000のLvに対して500と半分であり到達するためにはそれ相応の時間と経験、経験値が必要である。

しかし単純計算すると1000階層を一日に2階層攻略するとして500日かかる。

換算すれば簡単に2年を超える。

こちらに残された大災害までの時間は2年。

オーバーだ。


これはまずい。

それゆえに燈威は頭を悩ませているのだ。

「……クソッ」

「どうした?燈威。なんか問題発生みたいだけど大丈夫か?」伍現1の瞬足、遊田が声をかける。

「いや、それがな、ダンジョン攻略はアイテムを揃えれば大丈夫そうなんだが時間が足りないんだよ。1000ある階層を一日に2階層毎に攻略できると仮定しても時間が無いんだ。」

「…なるほどやばいな。ここは俺が情報をかき集めてくるとしよう。待ってろ燈威」

「う、うんとりあえず僕は現段階の問題と状況、作戦を伝えておくよ。」

「あぁよろしく!」


「…スゥゥゥハァ。みんn━━」

バタン!

「ちょっと待った!」

突如部屋の扉が開かれた事で燈威は話の中断を余儀なくされた。

その扉を開けて現れたのはクラスメイト達全員であった。

「俺達もまぜろ!俺達だって訓練ばかりで飽き飽きしてんだ、俺達も力になるから俺達もまぜろ!」

「俺達って何回言うんやこいつ…」満帆がそうこぼす。


「な、参加したいだって?」

「さっきガイザーのおっさんに頼んで許可は貰ってきたんだ!」

そう、扉を開けた張本人のかいが喋る。

「おっさんって…」

「うわぁ…」


こいつの名は廨、同じくクラスメイトの女子茂苅と恋仲にあり、どうやらこちらでも場所を弁えずいちゃついているようだ

こいつにはとにかく良くない噂がついておる。

しかし真相は不明。

そんなことはどうでもいい。

こいつはムカつくやつだが加勢して来るとの事。

数の力があればもっとスムーズに攻略できるだろう。


「加勢…か、いいよ。その代わりこれを受け取れ。簡易アイテムボックスの魔法陣が書かれたロールだ。相手が承認すればその相手とアイテムボックスを共有できる。これは全員配布だ。」


「よしゃ!」


「ハァ、なんだか胃が痛いぜ。」

中鳥がそうつぶやく。


バタン!

再び扉が開かれ情報を集めに行った遊田が戻ってきたようだ。

「わかったぞ!って何この人の量!クラスメイト全員集合やんけ!」

驚きのあまり( ᐛ )←こんな顔になってしまった遊田に対し冷静に状況を説明する。

顔が元に戻った遊田は切り替えて説明する

「どうやらダンジョン内の時間なんだけどな、そこでの一日は現実の1時間としてカウントされるらしいんだ。」

「えぐそれ。」

「つまり時間には困らない。たとえ500日そこで過ごしても現実では500時間しか経っていない。つまり1ヶ月ぐらいしかかからないんだ」

「OK、それなら問題解決だな!よしみんな、メンバーは揃った。あとはアイテムや装備品等、1ヶ月分の準備を各自で行え!明日の朝には出発するぞ!」


そして作戦会議は終了し、当初6人で攻略する予定であったダンジョン攻略は総勢33人の大隊に代わり、準備を整えるために解散した。



「ふーん、ダンジョン攻略ねぇ。面白そうなことするじゃんか。どう思う?Tetuma。」

「いいじゃん。でも2名ほど死亡フラグバチバチに立ってる奴らがおるなぁ。いや、4人か。」

「あぁやっぱ気づいた?」

「うん、あの…こっち来て最初にあった総当たり戦でキモイ目して楓華に近づいてた男子二人。あと今加勢したいって行ってきたあいつとそれにくっついてる女子。あれは確実に生きて帰れんよ」

「同意。ほら、リス!レス!よく覚えてなあのイチャついてるリア充。ああいうこと言いながらイチャついてる奴はすぐ死ぬよ」

「僕は気付いてたよ。分かりやすくムカつくやつから」レスがそう言う。

何故かリスはニヤニヤしてる。

「僕あいつ嫌い!」と、レス。

「ワロタ( 'ω')」


燈威達が作戦会議をしているところを4人は上からずっと見ていたのだ。

…こんな感じで作戦会議も終わりはつのダンジョン攻略のため、準備をするのであった。



♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰ ⋱✮⋰ ⋱♱⋰⋱



時はラルジュに来てすぐのころに戻る。

楓華は自身の体が絶世の美少女へと変わっていたことに喜んではいたがやはりそう簡単になじめるものではないのだ。

ほんの数刻前まで自分の性に違和感と疑問を持ちながらも男性という形の構造のものしか知らないのだから今楓華の手元には様々な問題があるのだ。

とは言えいきなり誰かに助けを求めたところで誰が手を差し伸べてくれるのか?

中身のひどさを知るものしかクラスメイトにはいない。


「とりあえず問題と変化だけまとめておこう。何かあったときに助けになるかもしれないしな。と、体がまるっきり変わったんだからこの口調も変えなきゃね。何せ困ったことがたくさんあるとはいえ約10年間望みつづけた女性の体楽しみながら最強を目指すのだ」


と、風華がまとめたのは以下である

・凸から凹へ

・微妙な身長の変化 ちじんだ

・欲求リミッターの強度低下

・排泄の行い方

・骨格の変化により生まれるであろう座り方や歩き方など様々な問題

・これまでの男子として行ってきた習慣

・etc...


少し生々しい点もあるが事実大きな問題なのである

そしてこの中で一番に向き合うべき課題は排泄の方法である

なんせ、これまではロングバレルがあったものがノーマル設定に変わったのだ

最初はそう簡単には行かない。


そう帝国城内庭園の端に座り込み頭を悩ませていると、向こうから足音が聞こえてきた。

「おや?おやおやおやおや?」

なんだか恐怖を思わせる喋り方である。

「あなたは…takumaね。どうやら、その体になってから困ったことがいっぱいのようだけれど。その顔…ふふふなるほどー。」

「!」

「分からないなら私も今から行くところだから着いてきなよ。」

「なぜ、わかった?」

「その顔と仕草でバレバレだよ。特に足。ぷるぷるじゃん。」

「…じゃあお言葉に甘えて///」


何されるか分からないけど。

まぁ、ほかの問題もアイリスに聞いて解決するかな。


そして、まず尿意を何とかしよう!すぐ!出r………

「あ。」

「え?」


˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩☪︎⋆

˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩☪︎


先が思いやられるなぁ。これ。

私は悟り、空を仰いだ。



一方天界では。

「フッフッフッフッフッ」

「なんですか?ルーナ様。その気色悪い笑い方は。」

「気色悪いとは心外ねぇ!フフフ、でもいいわ。私の仕掛けた魔法が発動したからね。」

と、特殊な趣味をお持ちの全次元神統括神様は気持ち悪いことを言いながら楓華へとカメラを向ける。

「ハァ全くこの駄女神は。秘書として、恥ずかしいです!…写真を撮るなァ!」


傍から見ればシュールだが犯罪である。

やめようね。








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