story 24 弓使い

場所は帝国。

ルーナの力により、帝国へと戻ってきた一行はその後帝王ガイザーより式典に招待され「救世主」という称号から「次元を救いし者」と称号を変えられただ一行と呼ばれていた5人は新しく名前を授かり「伍現かみのつかい」、人前をひとつ歩みを進める度に完成が上がるほどとなっていた。

そしてその伍現が人前に出てなにかする度に飛び交う歓声が嫌になってきた頃、それは起きた。


帝国城内:庭

伍現が庭に向かうと辺りにはメイドや執事らの悲鳴が響き渡っている。

中にはちらほらと護衛の騎士もおり、その全てが庭の中心にある一際大きなアーチへと盾を構えている。

何事かと遊田が見渡すとその先にはワープゲートが出現していた。

魔力の感じからしてルーナのものである。

しかし何かおかしい。そう悟った燈威は絢爛な旗を掲げその場にいる全ての者に対して指令を下した「全員臨戦態勢!目標はアーチに出現したワープゲート!重役からメイドまで全て守り抜け!」

その指示に誰もが従い、メイドや執事一人一人を騎士が守る。

さらにワープゲートを除く全てを守る

〈神聖なる守り〉を美帆が展開し、

メイドから騎士、自分たちを守る。

そこからさらに中鳥が鎢の巨壁を生み出し完璧な守りを完成させた。

そして何が出てくるのかと警戒を固めていると、突如空が黒く染まり、帝国領内全てを闇で包んだ。

今度は空かよと混乱の波に包まれ慌てていると突如空が切り裂かれた。

中からはその全てを掴み決して離さんとする手が出現し、「それ」は黒い煙と真紅の稲妻を伴って落ちてくる。サイズは月の4分の1サイズであろうか。視界の全てがその禍々しい手に隠される。

その場にいる生きとし生けるもの全てがその場所を自分の死に場所と考えてしまうほど絶望的なそれは文字通り恐怖と混沌をもたらす。


しかしその時、最初に警戒していたゲートから、小学生中学年ほどの身長の美少女がでてきた。姿は実に可愛らしく、コバルトブルーのスカートを履きチューブトップを身につけ、背中には矢筒、手元には白き龍の頭部を模した弓を持つ。

そして彼女は既に弓に矢をつがえ今まさに全てを滅ぼさんとする「それ」へと向け矢を放つ。

直後「それ」と矢は衝突し美帆の〈神聖なる守り〉と中鳥の鎢の巨壁にヒビを入れるほどの破壊のエネルギーを伴い、互いが拮抗する間もなく「ソレ」が消滅しさらに帝国中を覆っていた闇すらもその風圧で吹き飛ばした。

中鳥「ぐわぁあぁぁあああぁあぁぁあぁぁあぁあぁぁ!!!!」

美帆「チッ…!」


再び空が晴天へと戻るとそこには平和な帝国があった。


そして庭の中心にあったワープゲートは消え、先程凄まじい矢を放った少女がそこにいた。


燈威「だ、誰だ?お前…誰だ?!」

??? 「誰ってボクだよボク!ねぇみんな久しぶりー!元気してた?」

中鳥「お前、その姿にその強さ…まさか楓華なのか?」

??? 「え?楓華ちゃん?どこにいるの?」

遊田「…てことはお前、楓華じゃないのか。なら…まてよ?その声にその髪型。もしや?……まさか!」

??? 「そのまさかだよーん。ボクだよ、豪汰だよ!」

伍現「「「「「!?工エエェェエエ工!?」」」」」


豪汰「えへへぇ。来ちゃった。(´>∀<`)ゝ」

(((((来ちゃったっておい!!!!)))))


中鳥「来ちゃったってお前…どうやって。」

豪汰「どうやってってもちろんあのめっちゃ美人な神様に誘われたんだー」

と言われ、伍現は額に手をやる。

燈威「マジかよ。」

アイリス「⋯」

満帆「えぇ(引き気味)」


と、困惑しているとふと遠くから足音が響く。


ガイザーだ。

「ソナタの持つその力、そしてその紋章。やはり貴方様も救世主ですな?是非ともその強大なるお力、我が帝国を救うために振るって欲しい!どうか、どうか私どもの帝国を救う新たな救世主としt…」

豪汰「いいよー」

ガイザー「そこをなんとk⋯あ…宜しいのですか?!ありがたい!よしメイド達、執事達、騎士達!今夜は宴だ!新たなる救世主を全力でもてなせ!「「「「「全ては偉大なる御方の為に!」」」」」

豪汰「うわーいパーティー!」

(((((((はぁ⋯)))))))


そしてなんやかんやあり、宴をすることになったのであった。


さらにその情報は音速機ですら止まって見えるほどの速さで帝国領内全域に広まったという。

なんと恐ろしきかな。

と、思うナレーターであった。


ガタッ

「ふぅー、今日も仕事疲れたー。

なんかこう、最近ストーリーが進んでない割にキャラめちゃ増えるなー。正直大丈夫か心配だよこれ。世界がもうめちゃくちゃ。つかよ、主人公達の強さチート級だろボケェ!これ!アホーこんなんまともに進むわけねぇだろうが!」

はぁ


深深とため息をつく。


(私これまで何世紀もナレーターやってるしいくつもの世界の始まりから終わりまで見てきたけど、ここまでイカれた世界は見たことないよ。)


「はぁ、マジで有り得ない。なんなんマジで。」

と、愚痴をこぼすのであった…。

⋯ナレーターやりすぎて自分のことすらナレーションしてるよ。これ。




ヤバ。











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