story 17 訓練 訓練 訓練

古龍との戦いを終え、楓華は疲れから寝込んでいた。

一方、楓華が飛ばされ燈威の率いる一行が不在の帝国アイラン・サイラルでは混乱や絶望が取り巻いていた。しかし異世界に転移させられていて神から受けたスキルを最大限活かし、少なくとも自分が生き残れればいいと考える人間が多くいた。

因みにルーナがさずけたスキルは大きくわけて4つに別けられる。

ひとつは攻撃型。

ひとつは防御型。

ひとつは支援・回復型。

ひとつは特殊型。

攻撃型にもパワー系やテクニック系、スピード系に別けられる。しかし大半がパワー系である。

防御型には大盾によって力ずくで攻撃を防ぐものや、小盾によって攻撃の軌道を変え、防ぐような者もいる。

支援・回復型は文字通りで回復魔法を使えるものや自ら調合できるもの。もしくは後方から魔法で支援出来るものなどが居る。

特殊型と一括りにしてあるがそれらは全然異なるもので、中には鍛治職や研究職、商売職が居る。

彼らはこの力の真の価値を知らないが、それを引き出そうと考えていた。

☦︎︎

場所は訓練所に移る。

帝国に残されたみんなで少しずつ自主練をしようと言うのだ。

「でも自主練って言ったって何する?」

「確かにな…」

「攻撃型はやっぱり素振りじゃない?剣の持ち方や振り方がわからなきゃ型なんて夢のまた夢だろ?」

「あ、じゃー私たちこっちで素振りしてるから男子どっか向こうで素振りしてなよ」

「…わかった。行こうぜー」

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「防御ってどんな自主練すんの?」

「それな」

「攻撃系は素振りでもしてんだろうけどさ。」

と、防御型のグループは困りを見せていた。すると背後から思い足音ともに爽やかな青年と顎に髭を蓄えた寡黙な男性が声をかけてきた。

「おや、貴女方は救世主様であられますか?」

「あ、はい。」

「大盾、小盾の使い方でしたら私がお教えしましょう」

「え、良いんですか?ありがとうございます!」

「僕も忘れないでね、僕は小盾専門だから」

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「回復、支援、訓練…うぅ、どうしたらいいの?」

「とりあえず使える魔法を確認してみない?」

「そうだね、でもどうやって使うの?」

「…。わからん」

と、方針は決まったが困惑している支援・回復型の元に1人の女性が現れた。

その女性は魔法使いだと言った。

しかし筋骨隆々で背中には2丁の大剣を背負っているその姿には回復のかの字も見えない。

「おや?お前ら異世界から召喚された救世主達か?どれどれ?低い背の女が3人、パッとしない男が2人か。どうやら魔法職だな?んで魔法の使い方がわからず困っていると。」

「な、なんでわかったんですか?」

「ん?そりゃー簡単さ。お前らの背格好。そして表情だよ。」

(見抜かれた…!この人一体?)

「お?そこのお前、私が何者かって思ってるな?さっきも言ったがあたしは回復・支援型の魔法職、サラだ。」

((((((なんかすごい人だな。))))))

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「鍛冶職って何するんだ?なんか作るか?」

「んーいくらスキルとして持ってるからってなんも分からないからなぁ。」

「んじゃ街に出て鍛冶師に会いに行くか。」

「おう。」

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「研究職…今更だけどいいスキルだよなぁー研究職というスキルのおかげで好きに研究出来る。ぐへへ…ン?おやおや、もしや帝国の城の上に見えるあの姿は…ほう。なるほど。いいですねぇこのスキル。対象に集中すれば勝手にズームしてくれる。あれはTetumaとRe2ね。一体何を?こっそり探りますかねぇ」彼の名は北村。好きな物には目がなく、骨の髄まで調べ尽くす変態だ。

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「商売か…。んーとりあえず帝国の宰相さんに会いに行って…俺の予想があってればこういう異世界には必ず商業ギルドがあるはずだからそこへの紹介状を書いてもらおう。」

そうつぶやく彼の名は梅山。コードネームは「ファーストペンギン」である


と、そんな感じで各々訓練に当たっていた。

そしてその姿を城の上層から見る姿が2つあった。

「ふむ、私たちから声をかけるより先に動き出すとは。1人飛ばされ1部は遠征。さらに2人姿が見えずもう1人は神の気まぐれか気がつけば大陸の外。強大な戦力はこの国にあまりいない。しかし、彼らなら上手く切り抜けるだろうね。」

「ええ、私もそう思います。陛下」

多くを語る彼は帝王「ガイザー」まだ齢こそ12と若いがこの世界では成人が14であるためそれほど若くはない。

そして同意した彼女はガイザーに使える戦闘メイド、「ライザ」

異空間から語る私も恐れる2人だ。

情報源は分からないが彼はなんでも知っている。






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