story 15 森林探索

遊田がRe2と死闘(模擬戦)を繰り広げ自信を取り戻したその翌日のこと。

5人は再び帝国アイラン・サイラルの郊外、楓華を失ったあの地へ来ていた。

今日の目的は全員が神器の扱いに慣れ、問題なく魔獣を討つために原初の草原に来たのだ。

しかし、その目的を忘れさせるほどの痕跡が5人の前に広がっていた。

それぞれが過ちを犯したあの日を思い出し、次は無いぞと覚悟を決める。

そうして少しの時間を過ごし、歩みを進めた。方向はゴブリンやオークが攻めてきた方向である。


◇遊田視点

…ここは、いつ来てもあの時を思い出すな。あの時、みんなが戦うと行った時賛成せずに反対していたら…賛成しても慎重に周囲に気を配りながら戦っていたら…なんて、今更後悔しても今は変わらないか。そうは言っても後悔しかない。悔しいんだよな。そして、心の拠り所にしていた存在を意図も容易く失った悲しみがある。自信こそ昨日の朝取り戻したがな。だが…クヨクヨしてたら迷惑をかけるだけだ。気合いを入れ直そう…。


遊田が深呼吸し、その場で軽いストレッチをした。


過去への決別そして、未来への覚悟。

齢16程の人間にはあまりに厳しいはずなのに彼はそれを乗り越えたのだ。


「よし!気を取り直して行くぞ!」


◇中鳥視点

楓華。あいつには地球にいた頃何度も迷惑をかけられたな。俺自身が迷惑をかけることもあった。突然仲が悪くなったこともあったし少ないが喧嘩もした。

でもなんだかんだ時間がかかってもまた仲良くして…。

こっちに来てから神の手違いで性別を変えられたりその詫びにチート能力、アイテムを手に入れた。正直俺はお前に嫉妬している。

でも。急に会えなくなったんだぞ、少しばかり寂しいじゃないか。次会ったら1発ビンタ入れてやんねえとな〈急に居なくなりやがって‼️どれだけ心配かけたと思ってるんだよ!〉ってな。

メンバーの他の4人がどう考えてるかわからねぇ。だけどこれだけは言わせて欲しい。

俺は、友人としてお前が好きだ。


◇満帆視点

楓華。正直あなたと交流をし始めたのは地球でもつい最近の事だった。きっかけは、あなたが趣味で小説を書き始めたことからだったかな。どうせ素人が書くものだし成績最下位の頭じゃ面白いものは書けないだろうと見くびっていたけど、割と面白くてハマって…。

友達としての関係を持ってもいいかなと考えてたり考えてなかったり。早く続きが来ないかと待ち気づけば異世界転生。私はあの全次元神統括神 ルーナから神聖魔法と不壊のノートパソコンを手に入れ、前世から好きだったゲームをプレイして気持ちをとどめてる。正直異世界に来て異世界のゲームをするなんて不思議だけどね。

それはさておき作者であり仲間である楓華が突如消えたのは悲しいし、何より続きが来なくて暇だよ。

はよ、戻ってこい。


◇燈威視点

僕はこの世界に来てから様々な体験をし、その度に疲れたり驚いたり困難に陥ったりもした。でも神が与えた楓華の新しい身体、元は暗い性格で面倒な野郎だったのに明るく振舞って暴れているギャップ。そこに萌え、癒された。正直可愛いと思ってるし、本当のことを言うなら好きなんだよなぁ。元男だとわかっていても抑えられない。

そんな楓華がいなくなって寂しい。

はやく戻ってきてよ。


◇アイリス視点

私はここにいる4人と楓華ちゃん達と違い別の国から来た人間。でも私に初めて接触してきたのは楓華ちゃん。あの時私は嬉しかった。正直見た目はかっこよくないし暗めなところがちょっと好きではなかった。けど、この世界に来てから性転換してとっても可愛い女の子になったね。最初は可愛いゴスロリ服なんか着てなくてチューブトップとミニスカだけのとーってもエッチな格好してた。しかも下着が付けられないとかいう最高の状態。何度あなたを縛り付けて鳴かせて見たいと思ったことか。あぁ、早くこの僕の脈打つ棒を君の奥まで入れて何度も鳴かせたいな。早く、戻ってきてよ//



…数名なにかおかしさを感じたが、各々が何某の理由を持って覚悟を決めているようだね。


「よし、気を取り直して行くぞ!」

遊田が気合いの籠った声を上げる。

「「「「おー!」」」」

全体の士気が上がった。


そしてかの大群が襲いきた方角へ向けて歩みを進め始めた。


5人は歩みを進め、現在森の中にいた。

ここは通称「創造神の庭」と呼ばれておりその最奥には一面に広がる花畑があるらしい。

この話は帝国の図書館にあった本の内容で、なんでもいいから強くなるために動こうという考えからこの情報を頼りに今森にやってきた。


しばらく歩いているととてつもなく不気味なものを見つけた。

「…は?」

「こ、これは?」

「…これ、食えるかな」

「無理無理無理無理‼️」

「ふえぇ」

彼らが怯えた理由として、とてつもなく高い気が生え、少し空いた光がこれまで彼らを照らしていたのだが、その木が全て巨大なキノコに起きかわっているのだ。

「そういえば、なんかやたらキノコが生えてるなと思ったんだが、これは…」

もし楓華がいたら速攻泣き叫びながらアイリスか誰かに抱きついて震えながら漏らしているだろう。楓華は実は巨像恐怖症に加え、暗所恐怖症、森林恐怖症、上げの果てにはキノコの裏のヒダヒダが大っっっ嫌いで見るだけで寒気が襲い、近くに持ってこられたら泣く。

それだけキノコが大っ嫌いなのだ。

そしてここにいる5人のうち何故か満帆とアイリスのみそれを知っていた。

おもむろに満帆が空間魔法を使い無限収納袋を出し、そばに生えている太さ4、5メートルの柄に半径25メートルほどの行かれたサイズのキノコをつかみ収納袋に入れた。何をしたいのだろうか。

まぁそれはさておきこの〈キノコの森〉には今満帆が収納袋に入れたものより何倍も大きなキノコも生えているわけだ。

しかしパーティのうち3人が鬼ほどまじビビりしているため、〈キノコの森〉を迂回し数時間後小さな洞窟をみつけ、紐落ちてきたためにそこでひとまず一夜を明かすことにした。

洞窟と言っても奥が深いものではなく5人が入って奥から入口まで10メートルほどしかない。

そしてみんなが収納袋に入れていた食材で料理を作っていた頃突如雨が降ってきた。

雨は次第に強まり遂には雷まで落ちている。

空気は冷え、霧で何も見えない。

そこでアイリスが持っている裁縫魔法と錬金術によりふかふかの絨毯と敷布団、毛布数枚を作り、最後に明かりとしてランタンを3つ作り設置した。

そして洞窟の入口から雨がはいり洞窟内が浸水するのを防ぐため満帆が神聖魔法により自らでとかないとそこにあり続ける結界を貼った。


そしてしばらくして出来上がった鍋を5人で囲み各々布団に入って眠りに着いた。

「明日は晴れるといいね。」

アイリスは一言つぶやき眠りについた。


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