Story 6 訓練開始!

清々しい朝を迎えスッキリした私達はフェリックスさんの弟子アイリーンさんの案内で朝食に招かれ、この世界にもあるんだなと思いながらトーストにバターを塗ったものとベーコンと目玉焼きを食べて腹を満たした。

最高だったよ前世では毎日外食だったからね。

そしてみんなが食べ終わった頃

「皆さんおはようございます、昨晩はよく寝れましたか?今日は街に出て遊んだり…と、言いたいのは山々なのですが緊急事態にお呼びしたこともありましてすぐさま訓練を受けていただくことになっております故、今すぐ訓練場までご案内します」

フェリックスさん優しいのね。

「いやだるー」「おい訓練だってよ!」「ちょっと楽しみかも…」「あぁこれはまた…」「くんれん?ナニソレオイシイノ」「いやそんなことよりもメイクが整ってない!」とか人生二週目ニキ(?)がいるような気がするが大半は少し嫌々のようだ。

ま、どうせすぐきつい訓練で弱音も吐けなくなるんじゃないかしらねぇ。フフフ。


その頃天界では

全次元神統括神 ルーナ視点

「フヘヘ、じゅるり…」

ルーナは喜んでいた。

ルーナは知っている。

そう、間違えて楓華につけてしまった加護のひとつ「誘惑」あれは性別関係なく同年代を誘惑し常時発動している本人含めその場の全員をムラムラさせてしまうのだ。

しかもoffにする方法はないため、24時間365日常にアブナイのだ。

それにより起こったハプニングをルーナは天界から見ており、その上保存していつでも見れる状態にしたのだ。

皆さん既にお気づきだろうが、彼女は変態である。

「アハッ偶然だけどこんなものを見れるなんてねーいやぁーありがたやー。正直白飯三杯行けるわよこれ(真顔)」

別の次元神達が見たらどう思うだろうか?

一応彼女にも秘書がおりルーナの仕事(主に転生や転移。)を手伝っており別次元から呼んだものの情報や死人の魂の誘導なども行っている。

そんなルーナの秘書である天使族の「フェリス」は時折ルーナが見せる怠惰で天然な性格に呆れている。

なんせギャップが凄まじいのだ。ルーナが昨晩転移させた異次元のもの達を相手にした際はお淑やかな女性と言う印象を与えていたがその実怠惰であるというなんとも言い表しにくいものなのだ。

「んー早く訓練始まらないかなー私があげた本命の加護とかスキルとか使って見てほしいのよね。ねぇフェリス、あなたは楓華のことどう思う?」

「…そうですね、元が男性とは思えないほど自然に可憐さを感じます。彼女には天災から人々を守る資質があるかと。」

「ふーん( ¯꒳¯ )。」

なんか怪しい顔をしている。

「好きなの?」

「!っそ、そんなことございません。天使の身で人に恋をするなんてあってはなりませんでしょう?」

「私を誰だとお思い?私こそが全次元神統括神 ルーナ!私にかかればその辺の面倒な処理くらいおちゃのこさいさいよ!」

何を言ってるんだこいつ。

伝統的な部分をよくもまあそんな簡単に…

とまぁ今日も平和に人々を見守る女神ルーナであった。


「クチュン!」

「お?どうした?風邪か?まぁそんな格好してたら風邪ぐらい引くか。」

「噂でもされたんじゃないの?あなた今1番目立ってるからね」

「そ、そうかな(なんか上から気配を感じたけど…)」

空を仰いでみたが応えはない。

(そりゃそうよね、上から見られてるなんてあるわけないか)

「うん、そうだね。それより、訓練楽しみだね!帝国に来る前に貰ったスキルを試せるってことだもんね!」

「あんたよくそんな元気でいられるわね。」

「まぁ、天災が来るとか言ってたから少しでも鍛えないとあかんもんな」

突然話に割ってきた彼はクラスメイトの燈威とうい

元の次元にいた頃よく話していた友達のひとりだ。

そんな彼のステータスも実は見せてもらったのだが、


名前:燈威

性別:男

Lv:1/1000

加護:統括者(自分の所属するチーム、グループの全員に攻撃力、防御力、自然治癒力それぞれ+100のバフを付与する)(加護の持ち主が瀕死の危機に追いやられるとそれぞれ+777になり、不可視のバリアが全身に張られる)

スキル:全軍指揮(次元問わず全ての生き物に指示を下すことができ、その際の団結力はMAXになる)


なかなかに頼れるスキルと加護を持っており私の野望は更に進化した。

彼を私のパーティーに入れることが出来れば勝率が格段に上がるだろう。


というやり取りをしていると訓練場に着いたのでフェリックスさんが語り始めた。

「皆さん、昨日ご説明していただきました通りこの世界は今五千年に一度の大天災を前にして恐怖に脅えています。もし助けるものが居なければこのまま死を待つだけでしょう。しかし!私は考えに考えた末、あなた達救世主をこの世界に召喚することにしました。勝手な話ではありますが、召喚して皆さんに救って貰えるとなればすぐにでも訓練を開始し、体力向上や、戦闘を極めていただくことが必然となります。そこで今日皆さんにはランダムで戦っていただきます!戦い方は自由です。切ると見せかけて殴るでも、魔法を使うと見せかけてナイフで切りつけるでもよし。正し、殺してはなりません。これを承知の上で皆さんに勝ち抜きで戦っていただき皆さんの戦闘能力を測らせて頂きます。それにより、攻撃特化、支援特化、攻撃支援両立の3つのグループに分けて訓練してもらうことになります。私からは以上ですが、何かご質問はありますか?」

「とりあえず戦えばいいってことやろ?んなもん質問なんてねえわ。」

「だる、まぁ全員ぶっ潰せばいいんだろ?ラクショー、ハァッ!」

こいつらはクラスの一軍。その中でも問題児とされる人間だ。こいつらは状況や相手に関わらず兎に角イキリ散らかし、ケンカを売る。

はっきりいって嫌いだ。

とまぁ、こいつらのステータスは分からないが少なくとも舐めてかかるべきではないだろう。

ランダムでも当たればその時は身長に探りながら戦うとしようか。

わたしは前世では周りよりすごいなんてことがひとつもなくむしろ劣っている眉唾物であった。

だから実は剣道やってましたなんて俺TUEEEEの要素は持っちゃいない。

ただむかしひたすらやりこんでいた怪ハンで太刀の使い方に憧れて実際やってみたぐらいだ。

とまぁ自分語りはここまでにしてやるぞ!


くじ引きで対戦相手が決まったのだが、人数の問題故に私の相手は先程の問題児2人でしかも1番最初となった。

出来ればほかの人の戦い方を見てみたかったものだが仕方あるまい。


「おお?おめえは元男の楓華か、おめえいいからだしやがってよ、俺たちがぶっ潰して処女奪ってやるよ」

「チッ(ムカつくな、さすがは学年一の問題児、煽り性能抜群じゃねえか)いいだろう、せっかく手に入れたスキルの実験台になってもらおうじゃないか」

「あ?調子乗ってんじゃねえよ変態がよ!」

「そうだそうだ!くたばれ」

「コホン、では対戦開始!」

「創作魔法、拘束作成。創作魔法、飲み込む闇作成。創作魔法、幻覚作成。喰らえ、拘束せよ!」

やり方もわからなかったが後には弾けないためとりあえず唱えてみたが行けた。それにこれが魔法を使う感覚か、素晴らしいぞ

そして最初に発動した魔法は2人を捉え空間に固定した。

「な、ふざけんなてめぇ反則だろ!」

「は、な、せ!」

「最初に申した通り殺さなければどんな手で勝っても良いので、咎めなしです。続けてください」

ニヤリ

「飲み込む闇発動!」

唱えた途端、楓華と2人は闇に包まれ内側には視覚、嗅覚が奪われ更には呼吸すら許されない地獄が誕生した。

「ウググ、ぐ、ぐるじい!」

「カッ」

2人にとってはトラウマを植え付けられるレベルの恐怖だろう。しかし楓華の詠唱は止まらない

「断罪せよ、死をもたらせ、幻覚発動!」

すると呼吸と身動きを禁じられた2人の視覚と痛覚が2倍になり、その前には毒の塗られたナイフを2本持つ楓華が現れ1秒後にその刃先は2人の腹部を貫通した。

と、言う幻覚を見て2人は失禁し、気絶した。直後魔法は解け、

「試合終了!」という声が訓練場に響いた。

彼女の戦いぶりは実に残酷であった。

みんな、友達でさえも恐怖におののいている。

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