6月が来る前に

「結婚式は絶対に6月がいいって言ってたね」


6月の花嫁は幸せになれるって、どっかで聞いた。

ジューンブライド。君もそれに憧れたんだろう。


「うん!これだけは絶対に譲れない!」


だけど、そこまで待てないんだよね。

こんなにも魅力的な君を目の前にしているのに、大人しく待っていられるわけないでしょ?



「あのさ、お願いがあるんだけど」


僕のワガママを聞いてくれないかな。

ウエディングドレスを着た時に改めて誓うからさ。


「今ここで、小さな結婚式をしようよ」


6月はもうすぐそこまで迫ってきているけど、僕からしてみれば、太陽より遠い距離にあるんだ。


「何言ってるの?まだ6月じゃないよ?」


「ダメかな」


渋る君が、なんだか可愛く見えてしまって。

返事がくる前に、そっと口づけをした。


「病める時も健やかなる時も、君を心から愛すると誓うよ」


「誓われちゃったら、もう引き下がれないね」


微笑みながら2人向き合って、今度は深く熱い口づけを交わした。

もし神父さんがいたら『やりすぎだ』って言われるくらい、長い間唇を重ねた。


「先取りの誓いのキスも悪くない」



「君のことめっちゃ好き」


君の照れた顔が好きだ。

泣いている顔も、怒っている顔も、嬉しそうな顔も、不安そうな顔も、全部全部、大好きだよ。


「えへへ、私も大好きだよ」


これからももっと、色んな顔を見せて欲しい。

一緒に泣いて、時には怒って、たくさん笑いたい。

その度に、僕はまた君を好きになるから。





ねぇ、結婚式前の誓いのキス

君ならアリ?ナシ?

あとさ、何月に結婚式したい?

やっぱりジューンブライドには憧れる?

あ、好きな人となら、いつでもいいのかな?


幸せになることに、時期なんて関係ないか。

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