第十一話 「мысль(思い)」

"ボォォオオオオオオオオオ―――――


「(た、"弾が"....!)」


"曲がった"


【Вещь под названием


 пистолет удобная вещь

("銃"と言う物は、便利な物だ―――――)】


【ヒ、ヒィッ!? ヒワッ....


 ヒワワワワワワワワッ!?】


「(あわっ、アワワワワワワワワワ....!)」


何の目的があるのかは分からないが、


再び通された古びた施設の中で、隆和は


板状に光る並んだ照明の光を浴びながら、


室内に置かれた何の素材かも分からない


複雑な形を組み合わせたアートの様な


格子型の枠に目を向ける....


「(ロ、ロシアマンだとか....!)」


【Тот кто наследует волю


 доктора Мичина волю


 чистого последнего


 воина-русского


 человека и есть это Я

(その、ミチン博士の意志、


 純然たる究極兵士ロシアマンの意志を継ぐ者が


 この"私"なのだよ――――!)】


「(ロシアマン・・・・?)」


薄明りの中、暗い室内を見渡すと


そこには先程見た枠の様な物の他に


人型の、様々な"彫像"の様な物が


所々に置かれているのが見える――――


「(ロシアマン・・・・、


  "曲がる"....っ))」


"コッ コッ コッ コッ―――――


考えがまとまらず、半球型の球の様な物が


床に埋め込まれた部屋の中を、


女だと思われる彫像の一つに向かって


意味も無く近寄って行く―――――


「(麻衣....)」


"ボォォオオオオオオオ―――――

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