第十話 「Туман рассеивается без смысла(霧散無為)」

「――――フンッ フンッ フンッ、フンッ!!」


"ギュォォオオオオオオ――――ッ"


「イチッ! ニヒィ! スワンッ スィィッ!」


"ブンッ ブンッ"


河野、スサケフスキの二人が


激しい吹雪の中ズボンだけを履いた状態で


蹴りや拳を突き出していると、


「ドルッ... ドルッ ドルッ ドルッ....!」


「寒くねェッ こんなっ


 ――――寒くねェッ....!」


「ア アガッ シキョクチョゥウッ!」


「フンッ、フ―――― !?」


「ドルッ ドルッ ドルッ ドルッ....」


"ザシャッ!


「・・・・、??」


焦点が定まらず、何故か


吹雪の音とは違う音が聞こえた様な気がして、


思わず音がした方に河野は顔を向ける....


"ボォォオオオオオオオ―――"


「・・・!? 


 ス、スサケフスキッ」


「ブリンッ!?」


"ブンッ!"


「ォッ、ッ―――」


記憶の片隅の何かと戦っているのか


スサケフスキが突然拳を突き出してくるが、


その拳をとっさに身を避け、河野はかわす!


「ドルッ ドルッ ドルッ ドルッ....」


「お、おいっ あ、あのバイク...ッ」


「ガルボイッ.... ガルボイッ....!!」


「このヤロウッ」


"ゴンッ!!"


「ァアハッ」


"ズサササササッ


「シ、シキョク...


 テ、テメェエエァアアッ」


「・・・・」


「??」


"ズサッ"


殴られた事で正気を取り戻したのか、


スサケフスキは振り上げていた拳を止め


自分の視線の先へ顔を向ける


「ドルッ ドルッ ドルッ ドルッ....」


「ば、バイクが....」


「"ハンノウ"シテルジャネェカ....ッ」


"ドルッ ドルッ ドルッ ドルッ....."

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