第2話 火魔法の強奪
「おりゃあ!!!」
大きな雄叫びと共に血しぶきがギルド内を真っ赤に染めあげる。
ライクの村から20キロ離れた村のギルド内にて、乱闘が起こっていた。
先程まで銀色だった髪色は真っ赤に染まっており、青年は抵抗むなしく殴られる。
窓のガラスが青年の頬に突き刺さり、その姿に爆笑が巻き起こる。
「もうこれ以上やっちまうと死んじまう」
「そりゃ困っちまうな」
男二人はこの辺では有名な初心者狩りで、いちゃもんを付けては暴力を振るっている残忍性で有名だ。
うっぷんを晴らしたのか、腹の膨れた男二人は青年に唾をかけてギルドを出ようとする。
「これ、、ダメなんじゃないですか!、、」
『早く去ってくれ、、』
その一心で周りの冒険者は身体を震わせていた中、小柄な女性が顔を真っ赤にして声をあげた。
「あ”?」
二人組の男は同時に野太い声で女性の方へ顔を向ける。
「だ、だから、そのような暴力行為は、、ダメです…」
「おい、それ以上は…グアア!!!!」
そばにいた男が女性の発言を制止しようした瞬間、ギルド内は更に血しぶきを上げる。
男の首はナイフで突き刺さり、男は首を抑えてその場に倒れる。
「で、なんだ譲ちゃん?暴力行為がダメ?」
二人組の男の一人は、首に突き刺したナイフをくるりと回転させると、大笑いし始める。
「いや~、まだそんなぬるいことを言ってんのか?
あのガキは、俺たちの獲物を横取りしたのさ」
男は小柄な女性を壁に追いやると、顔の真横にナイフを壁に突き刺す。
震える女性を見て、男はさらに笑みを浮かべた。
「そ、それは別に違反じゃありません…冒険者同士の話し合いで解決すべきであり…暴力での解決は、、」
「うるせぇ」
男は舌打ちをすると、女性に対してナイフを振り下ろそうとした時、その男は後方に吹き飛ばされる。
「え?」
「なんだ、違反じゃねえのか?」
真っ赤に染まった髪の色。
先程まで殴り倒されていた青年が男の頬を殴ったのだった。
「て、てめえ!!!」
相方が吹き飛ばされた様子を見て、激怒した男はナイフを振りかざすが、隙の腹に蹴りを入れられ、胃液を吐きながら吹っ飛んでいく。
「ファイヤーボール!!」
先ほど頬を殴られた男は起き上がり、手のひらを青年にかざして、そう発言する。
しかし、何も起こらない。
「は?どうなってやがる…なんで、、なんで火魔法が…」
「ファイヤーボール」
手のひらをまじまじと見ていた男だが、青年の放ったファイヤーボールによって顔面にやけどを負い、気絶する。
「うそ、、だろ…」
腹を抱えたもう一人の男は状況に焦り、仲間の男を抱えてギルドから抜け出していった。
「いや~あいつらが横取りは違反だからって言うもんだから殴られてたけど、、
違ったんだな。ありがとよ」
青年、レイスは頬に突き刺さったガラス片を抜くと、腰を抜かしている女性に頭を下げて感謝する。
そして何事もなかったかのように、ギルドの受付嬢に冒険者登録をしてもらい、
レイスはその場を去った。
名前:レイス
スキル:
剣術LV1
体術LV1
物理耐性LV1
火魔法LV1
固有スキル:
吸収
分解
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます