第18話 木の香る家で(葵side)④

 スルリと薄衣も剥ぐ。


 己を隠そうと咄嗟に動いた陽の手を布団に縫い付けて、白い首筋にキスを落とした。

 ヒクリと波打つ艶肌へ、そのまま唇を這わせていく。

 

 甘い香りに包まれながらゆっくりと。


 浮き立つ鎖骨。柔らかな胸元。ふくらみの先へ。

 

 蕾を口に含んで舌で転がせば、幼く見える陽の顔が、一気に大人の女の表情かおになった。

 甘やかな吐息が漏れて、桃色に染まった目元が色気を放ち始める。


 ああ、ゾクゾクする!


 こんな顔もできるんだな。


 貪欲に求めずにはいられない。

 欲望のままに責めずにはいられない。


 もっと―――

 もっと見せてくれ。

 初めてのお前を!



 指先で、舌先で、陽を感じながら、視線を、耳を研ぎ澄ます。


 お前の全てを俺の魂に焼き付けたいんだ。

 そして、俺の全てをお前にも刻み込んでやる。


 肉体が消えても、覚えていられるくらい。


 強く、深く―――

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