第12話 天国の入り口で結婚式(陽side)⑥

 花嫁は泣いちゃいけないってわかってる。


 でも、もう止めることなんてできないよ。


 溢れ出る涙が、次から次へと私の頬を伝っていく。


「陽、俺はお前じゃ無きゃダメなんだ。今までも、これからも。俺のわがままだってことはわかってる。だけど……我慢できないんだ」


 ほらね。あおくんは優しいんだよ。


 私が罪悪感を抱かないように、自分のわがままなんて言ってくれる気遣いの男性ひと


 そうやって、いつだって。

 私のわがままを叶えてくれる人。


 本当は……わたしだって、ずっと一緒に居たい!


 今だけなんて嫌。


 あおくんを永遠に一人占めしたい!



 またあおくんが、ふわっと笑った。


「陽、お前も誓ってくれないと、俺の気持ちは宙ぶらりんになっちまう。頼むよ」


 そんな風に言われたら、断れないじゃん。


 もう、本当に……ずるい人。


 だから、大好きなんだよ!

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