第11話 天国の入り口で結婚式(陽side)⑤
今度は私の番だよね!
そう思って待っていたら、神父様はまた、あおくんに尋ねた。
「たとえ肉体が滅びて二人を分かつとも、魂は永遠に添い遂げることを誓いますか?」
え! 何、それ。
この状況でそれを聞くってことは、あおくんを縛ることになるよね。
そんなのダメだよ。
そんなの私、耐えられない。
私は今、こうやって結婚式の夢を見られただけて充分なの。
今だけ。
今だけあおくんを一人占めできたら、それで充分―——
慌ててあおくんの腕を引っ張った。
答えかけたあおくんが、こちらを向く。
私は涙が膨れ上がった瞳で、必死に訴えた。
誓っちゃダメ!
これ以上はだめ!
でも、あおくんは力強い眼差しで私を制した。
そして、噛みしめるようにゆっくりと……
「はい! 誓います!」
「あおくん!」
思わず声を上げてしまったら、あおくんが振り向いて笑ったの。
それは心から晴れやかな笑みで。
今までで最高の笑顔。
「やっとお前を一人占めできる!」
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